土地活用で介護施設経営をすべき人と成功させるための全知識

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土地活用 介護施設

所有する土地で介護施設経営を考えているけど、“そもそも介護施設ってどんなものがあるのか”、“本当に介護施設でよいのか”、“事業性はどうなのか”、“具体的にどのように検討を進めればよいのか”等、悩んだり迷ったりしていませんか?

介護施設経営は社会貢献性も高く、種類によっては行政からの補助金が出たり、比較的規模の大きな土地を収益性や節税効果を確保しながら活用できるため、地主にとっては非常に魅力的な土地活用と言われております。

しなしながら、一口に介護施設といっても実は様々な形態が存在し、きちんと事前にエリアや土地に合わせた介護施設の選定や契約内容の詰めを行っていないと、はじめてから“思っていた以上に賃料を下げられた”、“契約期間の途中なのに途中解約されてしまった”なんてことにもなりかねません。

実際、地方や郊外の一部の施設では既に供給過多に陥り、契約内容の改定に追い込まれている施設も多く存在しているのも事実です。

このページでは、これまで土地活用のコンサルティングを業務として300人以上の土地オーナーの最適な土地活用について支援をしてきた筆者が、「介護施設経営」で失敗しないために、検討する際に必ず押さえておくべき重要なポイントを以下の流れに沿ってご紹介します。

  1. 介護施設経営とは
  2. 各種介護施設の全体像からみる、介護施設経営のメリット・デメリット
  3. 土地活用で介護施設経営に向いている人
  4. 介護施設経営を成功に導くため知っておくべき介護施設の種類と特徴
  5. あなたの土地で建築可能な介護施設を見分けるための3ステップ
  6. 介護施設経営で失敗しないために絶対に押さえておくべき3つのポイント
  7. 土地活用を業者に相談する際の2つの注意点

このページをすべて読めば、介護施設で土地活用をしたいと思っている人はもちろん、土地活用でどうすればよいか困っている人も、自信を持って第一歩を踏み出していただけるでしょう。

本ページで全体像を掴んだ後は、必ず複数の専門家に意見を聞くことをおすすめします。その際は、建築会社や不動産会社等に直接電話をすることは絶対にやめましょう。なぜなら、この業界では電話をとった人が担当になるという慣習があるため、土地活用の専門家ではないレベルの低い担当がついてしまう・・・ということになりかねません。確実に複数業者の専門担当者と連絡を取りたい方は、「スマイスター」などの一括サイトを利用して、専門担当者からの連絡を待つことをおすすめします。

1.  介護施設経営とは

介護施設経営とは、高齢者人口の多い地域や介護需要が多く施設が不足しているエリアにおいて、介護事業者と共同で介護施設を開設する形式の土地活用です。

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今後、人口減少とともに少子高齢化が進む日本において、介護施設の不足は社会的な課題となっており、介護施設経営は単なる収益性や節税効果だけでなく、社会貢献性の面でも検討価値の高い土地活用といえます。

ちなみに、介護施設経営にも様々な種類があり、どれを選ぶかによって、国からの規制や収益性が変わるので注意が必要です。詳しくは、「4. 介護施設経営を成功に導くため知っておくべき介護施設の種類と特徴」にてご説明します。

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2.  各種介護施設の全体像からみる、介護施設経営のメリット・デメリット

土地活用には、大きく分けて下図のような4つのタイプと17種類の活用方法があります。(※スマホの方は横画面にすると全体表示されます。)

種類 土地対応性 投資額 収益性 安定性 節税効果 手軽さ 転用性 流動性 資産保全性 社会貢献性
売る 売却 × × × ×
貸す 定期借地 × × × ×
自己活用 駐車場経営 × ×
賃貸住宅経営 賃貸アパート経営 ×
賃貸マンション経営 × ×
トランクルーム経営 ×
ソーラー(太陽光発電) × ×
オフィス経営 × × × × ×
商業系施設経営 コンビニ × × ×
ロードサイド × × ×
医療系施設経営 クリニック × × × × ×
介護系施設経営 老人ホーム × × × ×
サ高住 × × ×
デイサービス・ショートステイ・小規模多機能  × △   ◯  ◯ ×   △ ×
グループホーム × × × × ×
共同活用 等価交換 × × × ×
土地信託 × × × ×

中でも介護施設経営はその他の土地活用と比較して社会貢献性や収益性が高さが魅力的なイメージがありますが、施設によっては自由に建築できなかったり、基本的にある程度のまとまった大きさの土地が必要であったりと一定のデメリットも存在しています。

そのため、介護施設での土地活用を検討する際には、メリット・デメリットをしっかりと理解した上で、他の土地活用とも条件を比較しながら自身の土地活用の目的に合わせて判断を行うことが大切です。

介護施設経営の主なメリット・デメリットは以下の通りです。

2-1.  メリット

  • なんといっても社会貢献性が高い
  • 日本ではまだまだ介護施設が足りておらず、今後も需要が伸びる
  • 比較的収益性が高い施設が多い
  • まとまった大きさの土地を安定的に活用できる
  • 施設によっては補助金や保証金がもらえる
  • 施設によっては総量規制により安定収入が得られやすい
  • 住居系施設では固定資産税・相続税等の節税効果が高い
  • 建物内部の設備等の修繕は運営事業者負担の場合が多くランニング費用が安くすむ
  • 生活利便施設さえ整っていれば駅から遠くても建築可能

上記のような様々なメリットがありますが、介護施設経営の最大のメリットは、なんといっても社会貢献性が高く一般の賃貸住宅よりも比較的高い収益性や利回りが期待できることでしょう。

また、面積の大きな土地は活用する際の投資額も大きくなるため、一般の賃貸住宅等では需要と供給の面で一考を要しますが、介護施設であればむしろある程度の大きさが必要であり、まとまった大きさの土地を安定的に活用できる点も介護施設経営の魅力です。

その他、一般の賃貸住宅のように駅からの距離等のアクセス性に左右されず、施設によっては補助金や保証金がもらえたり、設備修繕は運営業者負担な場合が多いことから、相対的に収益性が高まるケースも多く、まとまった土地を所有する土地オーナーにとっては検討価値の高い土地活用といえます。

2-2.  デメリット

  • まとまった大きさの土地が必要
  • 運営事業者がいないと経営が難しい
  • 投資額が大きい(基本的に数億円単位)
  • 基本的に建物は土地オーナーが建築しないといけない
  • 建物プランが特殊なため転用性が低く中途解約時のリスクが大きい
  • 施設によっては自由に建築できない
  • 住居系以外の施設では固定資産税・相続税等の節税効果がない

介護施設経営の最大のデメリットは、まとまった大きさの土地が必要であり、投資額が大きくなってしまいうことです。

まとまった大きさの土地が必要な上、運営事業者を探す必要があり、施設によっては総量規制で自由に建築できないため、介護施設経営が可能な人はおのずと大幅に絞られてしまいます。

さらに、他の土地活用と比較しても圧倒的に投資額が大きくなってしまう上、建物プランの特殊性から万一中途解約があった際でも他の用途への転用が難しく、中途解約時のリスクは相対的に大きな土地活用でもあります。

そのため、介護施設経営を検討する際には、中途解約時のリスクヘッジ策として、運営事業者との契約内容に中途解約ペナルティ条項の設定をする等の検討は必ず必要になってきます。

3.  土地活用で介護施設経営に向いている人

前述のとおり、介護施設経営には基本的にまとまった大きさの土地が必要であるため誰にでもできるわけではありませんが、特に以下の4つのタイプの人にとっては最適な土地活用といえます。

  • 社会貢献性を重視する人
  • まとまった大きさの土地を安定的に活用したい人
  • 駅から遠い土地で収益性の高い土地活用がしたい人
  • 既に賃貸住宅経営をやっているため、他の土地活用で節税効果を重視したい人

3-1.  社会貢献性を重視する人

  • 代々残してく予定の土地なので、人のためになるような土地活用がしたい
  • 他に賃貸住宅等の不動産は所有しているので、社会貢献性重視で土地活用を検討したい

今後の日本の社会を見据えた際に介護施設経営は最も社会貢献性の高い土地活用といえます。

土地活用の目的として、「自分の資産を活かして社会のために」という意識の高い人にとって、介護施設経営は最適な土地活用です。

3-2.  まとまった大きさの土地を安定的に活用したい人

  • 土地の規模が大きいので一般の賃貸住宅では戸数が多くなってしまい、空室が心配
  • 折角のまとまった土地なので、小分けにせず、最大限活かして一体で活用したい

大規模な土地を活用する際に必ず出てくる懸念が「需要と供給の問題」であり、空室リスクをヘッジするために、「とりあえず土地を小分けにして小さく始める」ということはよくある話ですが、介護施設経営では大規模な土地を最大限に安定的に活用することが可能であり、そういったニーズのある人にとっては最適な土地活用といえます。

3-3.  駅から遠い土地で収益性の高い土地活用がしたい人

  • 所有地が駅から遠い土地なため、一般の賃貸住宅等は不向きといわれた
  • 駅からの距離が遠いため、駅前の物件よりもかなり安い賃料で貸している

介護施設経営の大きなメリットとして、「駅からの距離等のアクセス性に大きく左右されない」ということが挙げられます。

当然、アクセス性は良い方が良いのは事実ですが、介護施設経営ではアクセス性よりも住環境が優先されるため、周辺の生活利便施設さえ整った場所であればアクセス性が良くない場所であっても、相対的に収益性の高い土地活用が可能です。

また、介護付き有料老人ホーム等の要介護度の高い人向けの施設では、地域毎の需給バランスが重要であり、アクセス性も住環境も良くない場合でも大きな問題とならないケースも多くあります。

そのため、上記のようなニーズを持った人にとっても介護施設経営は検討価値の高い土地活用といえます。

3-4.  既に賃貸住宅経営をやっているため、他の土地活用で節税効果を重視したい人

  • 相続税対策で土地活用を検討しているが、既に所有している賃貸住宅と競合しないような土地活用がしたい
  • 節税効果が最も重視する項目だが、賃貸住宅は飽和しているため他の土地活用を検討したい

節税効果のある土地活用というと「住居系の土地活用」に限られるため、主に「賃貸住宅経営」か「住居系の介護施設経営」に絞られてきます。

その中でも、賃貸住宅経営は最も一般的であり、全国的に飽和しているエリアも多いですが、介護施設経営はまだまだ足りていない地域が圧倒的であり、節税効果を重視する人にとっても検討価値の高い土地活用です。

4.  介護施設経営を成功に導くため知っておくべき介護施設の種類と特徴

下図にまとめている通り、介護施設には多くの種類が存在し、種類によって提供されるサービスが異なるため必要な建物規模や民間建築の可否・総量規制の対象等が違ってきます。

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4-1.  公的施設と民間施設|国が拡大推進する民間施設のメリット

介護施設は大きく分けると、地方公共団体や社会福祉法人・医療法人等でないと建築できない公的施設と民間業者でも建築可能な民間施設に分けられます。

中でも「特別養護老人ホーム」「介護老人保険施設」「介護療養型医療施設」は「介護保険三施設」と呼ばれ、国が介護保険制度のもとで介護サービスを行う主要施設になります。

そのため、一般的に「介護施設」というとこれらの施設をイメージする人が多いですが、これらの施設は公的施設のため民間では建築することができません。

また、もともと介護サービスは公的施設を中心に行われてきましたが、急速に進む高齢化に伴い、公的施設だけでは全く数が足りず、施設に入りたくても入れない「介護難民」が全国的に多く発生しているというのが現状です。

特に「特別養護老人ホーム」では入所費用の安さから入所希望者が多く、全国で入所待ちの待機老人が2013年時点で既に50万人以上発生していると言われております。

こうした、公的施設だけでは全く足りずに発生している介護難民問題を打開するために、国は民間施設による介護サービスの拡大を目指しており、税金面での優遇や補助金の交付等の様々な施策が実施されております。

将来的な需要の多さと共に、このような国からの支援が受けられることも介護施設経営の大きなメリットです。

4-2.  総量規制|民間施設の中でも自由に建築できないものがある

介護施設には様々な種類がありますが、大きく分けると利用者が介護保険の利用ができる施設と利用できない施設に分けられます。

現在の介護保険の制度では、利用者は介護保険の利用によって自身の要介護状態に合わせた様々なサービスを受けることでき、その際の本人負担は1割に抑えられています。

逆に言うと、9割は自治体が負担することになっており、高齢化によってこの負担額が増えることによる財政難が問題となっております。

そのため、介護保険の利用ができる施設(「介護保険三施設」や「特定施設」)では利用者が増える度に自治体が介護事業者へ支払う介護報酬額が増えてしまうため、自治体による建築制限(総量規制)が行われており、自由に建築することができません。

総量規制の対象となる施設を建築するには

総量規制の対象となる施設を建築するには、各自治体毎で募集を受け付けているタイミングに施設計画案を提出し、エリアや規模・サービス内容等の様々な観点から総合的に選ばれた上で特定施設登録と建築許可を受ける必要があります。

慢性的に施設の足りていない自治体(都市部に多い)では毎年高頻度で募集を受け付けておりますが、中には全く受け付けていない自治体もありますので、各自治体へ現在の募集状況や今後の募集予定について随時確認する必要があります。

4-3.  各種民間施設の特徴

前述の通り、介護施設は公的施設と民間施設に分かれるため、土地活用で介護施設を検討する際には民間施設の中から検討する必要があります。

以下に各種民間施設の特徴をご紹介します。

4-3-1.  介護付き有料老人ホーム

介護が必要な高齢者の入浴・排泄・食事等の介護、その他の日常生活上ならびに療養上のお世話、機能訓練をするための居住施設で、人員基準や設備・運営基準等の必要条件を満たし各自治体から介護保険の「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設(通称「特定施設」)を「介護付き有料老人ホーム」と呼びます。

介護付き有料老人ホームは特定施設ですので、介護保険の利用が可能であり、総量規制の対象施設となっています。

※土地活用の観点では「介護付き有料老人ホーム」は魅力的

自由に建築はできませんが、介護保険の適用により運営事業者へは介護報酬が支払われるため運営事業者にとっての採算性リスクが低く、介護事業者からの開設意向が高い施設です。

また、介護事業者によっては、強い開設意向から建設協力金(保証金)として建築費の2割程度を前払いしてくれる上に、10年間等長期で賃料を固定してくれる業者もあり、その場合の収益性は非常に高くなるため、土地オーナーにとって人気の高い土地活用でもあります。

4-3-2.  住宅型有料老人ホーム

高齢者が安心に暮らせることを目的とした施設で、食事サービスと緊急時の対応等の日常生活支援が基本となる施設です。

付き有料老人ホームのように介護スタッフは常駐しておらず、介護が必要な場合には外部の訪問介護サービスを利用することになりますが、施設によっては施設内に訪問介護事業者が併設されている場合もあり、一見介護付き有料老人ホームと見分けがつかないものもあります。

特定施設ではないため、総量規制の対象ではなく、介護事業者の開設意向さえあれば自由に建築が可能です。

4-3-3.  健康型有料老人ホーム

介護の必要はない健康で自立した高齢者が安心して快適に暮らせることを目的とした施設です。

介護の必要はないものの、「一人暮らしで家事が面倒、同世代の人とのコミュニティーの中で楽しく暮らしたい、一人暮らしは有事の際に不安、遠方の家族が心配している」等、様々な理由で健康な高齢者が集まって生活をしています。

介護の機能がないため、介護が必要になった際には退去する(介護付き有料老人ホーム等へ移る)必要があります。

健康型有料老人ホームも、事業者の開設意向さえあれば自由に建築することができます。

4-3-4.  サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

高齢者が安心して暮らせることを目的とした「賃貸住宅」で、25㎡以上(一定の場合18㎡以上)の住戸面積の確保やバリアフリー等の施設条件と、安否確認等の見守りサービス及び生活相談サービスの提供というサービス条件を満たした上で自治体の登録を受けた施設です。

上記条件を満たしていればサ高住としての登録が可能なため、施設によって健康で自立した人を対象とする健康型有料老人ホームのようなものから、介護スタッフが常駐して介護サービスを行う介護付き有料老人ホームと一見見分けがつかないようなものまで、様々な形態の施設があります。

サ高住も事業者の開設意向さえあれば自由に建築することができます。

※サ高住は建設費の1割補助や税制優遇等、国からの手厚い助成が受けられる(平成28年度以降の延長は現在審議中)

「介護サービスは増やしたいが財政を圧迫する社会福祉施設は簡単には増やせない」という国にとって、あくまで「民間運営の高齢者向け住宅」という位置付けでありながら様々な介護サービスが受けられるサ高住は、高齢化社会問題を解決する上で非常に重要な役割を果たすという期待がなされています。

そのため、サ高住は介護施設の中でも国が最も拡充を推進している施設であり、サ高住の拡充のために平成23年度より下図のような建設費補助や税制優遇、融資支援等の各種助成施策を設けられていました。

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※出典:国交省・厚労省「サービス付き高齢者向け住宅」パンフレットより

当初の助成期間は5年間とされていたため平成27年度(平成28年3月31日)をもって新規の受付を終了していますが、現在も各種助成施策の延長や新設が検討されています。

この各種助成を受けることにより大幅に収益性が高まることから、土地オーナーにとって非常に魅力的な土地活用の一つとして急速に数が増えてきております。

4-3-5.  通所介護(デイサービス)

在宅で介護を受けている高齢者が日帰りで介護サービスを受けることができる施設です。

施設では、食事や入浴などの日常生活上の支援や、生活機能向上のための機能訓練や口腔機能向上サービスなどを日帰りで提供します。

生活機能向上グループ活動などの高齢者同士の交流もあり、施設は利用者の自宅から施設までの送迎も行います。

現在、要支援・要介護認定を受けている高齢者のうちの約8割の人が在宅で介護を受けているという状況であり、日本社会において非常に重要なサービス(施設)となっています。

デイサービスは総量規制の対象施設ではありませんが、平成28年4月1日より「定員18名以下の小規模デイービスは総量規制の対象」となっていますので、小規模なものは自由に建築することができません。

4-3-6.  短期入所者生活介護(ショートステイ)

在宅で介護を受けている高齢者が最大連続30日間の短期間だけ入所して介護サービスを受けることができる施設です。

対象者としては以下のようなケースが挙げられます。

  • 利用者の心身の状況や病状が悪い場合
  • 家族(介護者)が疾病、冠婚葬祭、出張等で一時的に介護施設を利用したい場合
  • 家族(介護者)の身体的・精神的負担の軽減したい場合 など

ショートステイは、ショートステイ専門の施設として開設する場合の他、介護付き有料老人ホーム等が一部の部屋をショートステイ用として受け入れる場合もあります。

総量規制の対象施設ではありませんので、事業者の開設以降さえあれば自由に建築することができます。

4-3-7.  小規模多機能型居宅介護

在宅で介護を受けている高齢者に対し、訪問介護・デイサービス・ショートステイを組み合わせた様々な介護サービスの提供を行う施設です。

小規模多機能型居宅介護では、利用者が可能な限り自立した日常生活を送ることができるよう、利用者の選択に応じて、施設への「通い」を中心として、短期間の「宿泊」や利用者の自宅への「訪問」を組合せ、家庭的な環境と地域住民との交流の下で日常生活上の支援や機能訓練を行います。

小規模多機能型居宅介護は総量規制の対象施設になりますので、自由に建築することができません。

4-3-8.  認知症対応型生活介護(グループホーム)

認知症の高齢者が1ユニット9人までの少人数で共同生活を送りながら、介護スタッフによる食事や入浴などの日常生活上の支援や、機能訓練、レクリエーションなどの専門的なケアが受けられる施設です。

グループホームも総量規制の対象施設となりますので、自由に建築することができません。

4-4.  総量規制の対象施設(特定施設)の方が安定収入が得られやすい

総量規制の対象施設は、土地オーナーからすると自由に建築することができないため、一見とっつき難いイメージがりますが、逆にいうと、自分が建ててしまえば将来に渡り同様の施設が近隣に建つ可能性は低く、そういった意味では自治体から守られた施設ともいえます。

また運営事業者からしても、「介護保険が利用できるため入所者の負担額が少なくて済むことから入所者を募りやすい」「入所者の要介護状態に合わせて定額の介護報酬を受け取れる」等の大きなメリットがあるため事業収支や経営計画が立て易く、その分土地オーナー支払う賃料も高く固定することが可能になっています。

建築するまでのハードルは多いですが、建築後の経営メリットを考えると、まずは自分の土地で特定施設の建築が可能かどうかの検討をすることをおすすめします。

5.  あなたの土地で建築可能な介護施設を見分けるための3ステップ

種類も多く、一見検討が難しそうな介護施設経営ですが、自分ので土地で建築可能な施設を見分けることは実は簡単で、下記の3ステッップに従うだけで誰でも行う事ができます。

  • ステップ①|所有地で法規上建築可能な建物規模(延床面積)を調べる
  • ステップ②|所有地周辺に生活利便施設があるかどうかを調べる
  • ステップ③|総量規制対象施設の開設募集があるかどうかを調べる

5-1.  ステップ①|所有地で法規上建築可能な建物規模(延床面積)を調べる

第2章の再掲になりますが、介護施設は各種類毎に概ね下図のような建物規模が必要になります。

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※運営事業者によって、独自の細かな施設基準が設けられており、必要な建物規模は運営事業者によって異なります。上記建物規模はあくまで概ねの目安です。

介護施設経営を検討する際には、まずは自分の土地でどの程度の大きさの建物が建築可能かを調べる必要があります。

所有地で法規上建築可能な大まかな建物規模(延床面積)の調べ方は下記の通りです。

  1. 役所の建築課(建築確認の審査を行う部署)で所有地の「建築可能容積率」を調べる
  2. 所有地の土地面積に調べた指定容積率を掛ける

以上の2つの作業を行うだけで誰でも簡単に大まかな建築可能な建物規模を調べることができます。

※注

「建築可能容積率」という言葉は、一般的には存在せず、本サイトでは便宜上そのように呼んでおります。

本来は、各行政が都市計画に基づいた「指定容積率」というものを定めており、建築に際しては建築基準法の規定に基づいて、「指定容積率」と「全面道路の幅員に用途地域別に定められた係数を掛け合わせて算出した容積率」とを比較してどちらか低い方を用いて建築可能延床面積を計算します。

一般の素人の人が全ての要素を調べて計算するのは専門的で難しいため、建築確認申請の内容が適法かどうかを審査している部署である建築課(役所によって名称が異なりますが「建築課」や「建築審査課」「建築指導課」等が多い)にて「建築可能容積率(建築計画をする上で有効な容積率)」を尋ねれば、ほとんどの場合、計算して教えてもらえます。

参考例

  • 役所で確認した所有地の建築可能容積率=160%
  • 所有地の土地面積=400坪(約1320㎡) の場合

400坪(約1320㎡)×160%=640坪(約2115㎡)

となり、建物規模上は概ねどの施設でも建築可能と判断することができます。

5-2.  ステップ②|所有地周辺に生活利便施設があるかどうかを調べる

前述の通り、介護施設経営では駅からの距離等のアクセス性に大きく左右されない代わりに、特に自立型の住居系施設では周辺の生活利便施設の有無が重要になってきます。

そのため、健康型有料老人ホームや一部のサービス付き高齢者向け住宅のような自立型の住居系施設の可能性を探る意味から、所有地周辺の生活利便施設の有無を調べます。

調べるべき内容は「徒歩10分圏内に以下のような施設があるかどうか」です。

  • 銀行
  • 郵便局
  • 病院
  • 商店街
  • スーパーマーケット、コンビニ
  • 飲食店
  • クリーニング店など

上記のような生活利便施設が整っているようであれば、環境面では概ねどの施設でも建築可能です。

5-3.  ステップ③|総量規制対象施設の開設募集があるかどうかを調べる

上図にあるように総量規制の対象施設を建築する場合には、各自治体の募集に応募する必要があります。

どのような時期にどの施設の公募が行われるかは各自治体によって全く異なりますので、各自治体の役所へ確認する必要があります。

各自治体のHP等でも公表されている場合もありますが、細かな条件であったり、現在は募集されていなくても今後の募集予定を確認できる可能性があるため、電話等で直接役所へ問い合わせることをおすすめします。

年度内に募集予定がある場合には大概教えてもらえます。

総量規制対象施設のうち、募集のある施設と総量規制の対象でない施設の中から比較検討し、建築することが可能です。

6.  介護施設経営で失敗しないために絶対に押さえておくべき3つのポイント

これまでのお話の中でご紹介してきた内容も含まれますが、今一度、介護施設経営を検討する上で失敗しないために絶対に押さえておくべきポイントを下記にまとめておきます。

  1. 総量規制の対象ではない施設では、エリアによってスポット的に供給過剰になることがあるため、将来需要予測や空室リスクについては慎重に検討する
  2. 投資額が大きく転用性の低い特殊な建物であるため、必ず中途解約ペナルティ条項付きの長期契約を結ぶようにする
  3. 今後高齢者人口は増えていくものの、歴史の浅い土地活用であるため、賃料改定条件については慎重に検討し、できれば長期間固定してもらうように交渉する

6-1.  総量規制の対象ではない施設では、エリアによってスポット的に供給過剰になることがあるため、将来需要予測や空室リスクについては慎重に検討する

全国的な視点ではまだまだ足りていない介護施設ですが、一部の地域では総量規制のないサ高住等や住宅型有料老人ホーム等の建築が相次ぎ、スポット的に供給過剰で過当競争に陥っている地域もあります。

日本全体の数字に惑わされずに、所有地周辺の市場における需給バランスがどうなっており、今後の人口推移や介護施設の建築予定等も業者に調査してもらいながら、厳しい目線で長期の事業収支計画を立てるようにしましょう。

6-2.  投資額が大きく転用性の低い特殊な建物であるため、必ず中途解約ペナルティ条項付きの長期契約を結ぶようにする

介護施設経営を行う上での最大のリスクは、「契約期間内の中途解約により他の用途に転用しにくい建物と借金だけが残ってしまう」というようなケースです。

投資額も数億円という大きな金額になるため、運営事業者が契約期間内に中途解約する場合のペナルティ条項を設定するのが一般的です。

ペナルティ内容は運営事業者との交渉によりまちまちですが、

  • 建物建築費の残債相当額を違約金として支払う
  • 現在の契約内容と同条件で運営を引継いでくれる事業者の紹介を条件とする
  • 契約残存期間分の賃料相当額を違約金として支払う

等の条件で中途解約ペナルティ条項を設定するよう交渉するとよいでしょう。

6-3.  今後高齢者人口は増えていくものの、歴史の浅い土地活用であるため、賃料改定条件については慎重に検討し、できれば長期間固定してもらうように交渉する

公的施設としての介護施設は従前から長く存在していますが、民間施設の拡充が図られ、土地活用としての介護施設が多く建築されるようになってからの歴史はまだまだ浅いというのが介護施設経営の実態です。

国がサ高住についての法整備を行い、補助金や税制優遇等の特典を設けて介護施設の拡充を本格化させたのも平成23年と最近のことです。

そのため、土地活用としての介護施設経営については今後どのうような需給バランスの変化が起こるかが予測しにくく、大きな投資を行う上でのリスクヘッジ策として、契約期間や賃料改定条件等の収入条件については安全な条件で契約を行うべきです。

「20〜30年契約等の長期契約」や「当初10年間の賃料固定」等の有利な条件で運営されている施設も多くありますので、しっかりと交渉するようにしましょう。

7. 土地活用を業者に相談する際の2つの注意点

土地活用を業者に相談する際には、必ず以下の2つの注意点を守るようにしましょう。

  • 土地活用専門の担当者(部署)に依頼する
  • 複数の業者を比較した上で条件交渉する

規模の大きなハウスメーカー等では、戸建住宅をメインに扱う担当者・部署と土地活用をメインに扱う担当者・部署の大きく2種類が存在しますが、当然のことながら土地活用については土地活用をメインに扱う担当に依頼するべきです。

しかしながら、基本的に建築会社では最初にコンタクトを取った営業マンが担当となるケースが多いため、中には戸建住宅メインの担当が土地活用の提案を行うということも多くあり得ます。そのため、より良い提案をしてもらうためにも、むやみに住宅展示場等の営業マンに相談するのではなく、土地活用を専門に扱う部署へ直接問い合わせることをおすすめします。

また、当然のことながら、同じ土地であっても業者や担当者によって提案内容や条件に大きな差が出てきます。プランや構造等、無限に提案の余地のある土地活用に於いて、すべての可能性を検討するのは不可能ですが、後悔することのないように可能な限り少しでも多くの業者を比較検討した上で、しっかりと条件交渉するようにしましょう

上記2点を踏まえて、最も簡単で便利な方法として一括資料請求サービスの活用がおすすめです。

一括資料請求サービスを活用するメリット

一括資料請求サービスを活用すると、相談者の「住所」や「建築地」「相談内容」などをもとに最適な専門部署に繋いでもらえます

また、一度に複数社にまとめて依頼できるので、手間を掛けずに多くの業者を比較することができます

土地活用の一括資料請求サービスを行っている会社は10社以上ありますが、私が対応エリアや対応種類、参加企業・実績等の観点で、いろいろと比較した上で、総合的に最もおすすめなサイトは『スマイスターです。

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まずはこのサイトから一括資料請求して情報収集した後に、気になる業者に本格的に相談するとよいでしょう。

スマイスターには、不動産売却など土地活用以外にも色々なサービスがありますので、下記の土地活用専用の公式ページから一括請求するとよいです。

スマイスター:http://www.sumaistar.com

8.  まとめ

いかがでしたでしょうか。

自分の土地の条件や土地活用の目的と照らして、介護施設経営が向いていると思った人、向いていないと思った人、等様々だと思いますが、介護施設経営は数ある土地活用の中でも収益性や節税効果を確保しながら長期的な目線で社会貢献ができる魅力的な土地活用の一つです。

本サイトでは介護施設経営を検討する際に押さえておくべき重要なポイントを出来る限り網羅的にご紹介してきましたので、上記の内容をしっかりと理解した上で行えば、きっと後悔しない介護施設経営ができるでしょう。

土地活用は、後からの計画の変更が難しいため、時間をかけてじっくりと最適な方法を検討するべきです。ご自身の土地条件やニーズに合わせて、最適な介護施設経営を比較検討してみて下さい。

将来的なニーズのある人は、スマイスターなどの一括資料請求サービスを利用しながら、早めにまずは事前情報収集から検討を始められることをおすすめします。

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