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プロが教える一戸建ての家の査定で損せず最高額で売却する為の全知識

プロが教える一戸建ての家の査定で損せず最高額で売却する為の全知識

一戸建ての家の売却査定について、「どのように進めればよいの?」「損をしないための注意点や高く売るためのポイントはあるの?」と気になっていませんか?

不動産価格が高騰していて、中には購入価格よりも値上がりしている物件も多い昨今、自宅や投資用の一戸建ての家の売却を検討するには絶好の時期であるのは間違いありません。

しかし、一戸建ての家の売却では査定に基づく売出し価格や媒介業者の実力次第で何十万・何百万といった単位で大きな差が生まれる可能性があるため、損をして後悔しないためにも、しっかりと最初の売却査定の段階から賢く進めていくことが肝心です。

このページでは、元大手不動産会社に勤務し、延べ2,000件以上の不動産売却に携ってきた筆者が、「一戸建ての家の売却査定の注意点と高く売るために大切なポイント」について、以下の流れに沿ってご紹介します。

  1. 一戸建ての家の売却査定で損をしないための6つの注意点
  2. プロが使い分けている一戸建ての家売却のための3つの査定価格
  3. 買い主のターゲティング次第で妥当な一戸建ての家の売却査定は変わる!
  4. 査定を上げて相場よりも高く一戸建ての家の売却するための6つの秘訣
  5. 一戸建ての家の売却で利益を最大化するための賢い査定の進め方

すべて読めば、「一戸建ての家の売却査定」について、プロと同等の知識が身につき、賢く売却できるようになるでしょう。

売り時は今!利上げで今後戸建て価格は下落する

2024年に日銀が行ったゼロ金利の解除は、住宅ローン金利を引き上げ、これまで好調だった不動産相場の暴落へとつながります。
アメリカでは2022年に大きな利上げがあり、都心のビルが半値で売却されるなど、実際に不動産価格の暴落が起きています。
来年以降は売却益が半減するリスクもあり、かろうじて低金利が続く2024年はまさに土地の売り時と言えます。

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査定額や対応力で業者の比較もでき、売却のパートナーとなる仲介業者選びまでがスムーズに行えます。

目次

0. 一戸建ての家の売却査定は信頼できるパートナー探しである

私はこれまで多くの不動産売却に携わって来ましたが、「一戸建ての家の売却では、適当に不動産業者に査定依頼をして、なんとなく良さそうな業者へ言われるがままにすべてを鵜呑みにして任せてしまう…」という無知で損をしてしまっている人があまりにも多いというのが率直な感想です。

売主にとって「一戸建ての家の売却査定」とは、単純に「物件の売れそうな価格を査定してもらう作業」ではなく、「適正な相場やターゲットを把握して少しでも高く売ってくれる信頼できるパートナーを探すための最も大切な工程」と言えます。

そのため、これから本ページでご紹介する内容をしっかりと押さえて、一戸建ての家の売却で損をして後悔することなく、少しでも高く売却できるように必要な知識を身につけて頂ければと思います。

1. 一戸建ての家の売却査定で損をしないため6つの注意点

一戸建ての家の売却査定で損をしないための6つの注意点
1.必ず複数の業者から売却査定をとって比較する
2.査定額も大事だがその根拠はもっと大事
3.査定額と適正価格は必ずしもイコールではない
4.誰を売却ターゲットとするかで相場は変わる
5.最終的な売出し価格は自分で決めるべき
6.最初は一社と専任媒介契約、ダメなら複数社と一般媒介契約へ

一戸建ての家の売却査定で損をしないために必ず押さえておくべき注意点としては主に上記の6つが挙げられます。

上記6つの注意点をしっかりと押さえておけば、「不当な価格で売却して損をしてしまう」「業者選びに失敗して後悔する」といったようなよくある失敗を回避することができるようになります。

以下、一つ一つ具体的に解説していきます。

1-1. 必ず複数の業者から売却査定をとって比較する

  • 入り口は多い方が信頼できるパートナーに出会える確率が上がる
  • 情報が多い方が相場の確認の精度が上がる
  • 売出し価格・仲介手数料の等の条件交渉のための比較材料になる

まず大前提として押さえておくべきポイントとして、一戸建ての家の売却査定では、業者により査定額は大きく異なります。

それは、業者により特性(営業エリア、規模、得意分野、自社広告媒体の有無、在庫物件、問い合わせ状況等)が全く異なるためです。

特に不動産はエリア特性が強いため、得意な営業エリア外の案件の場合には過去事例の確認のみといった機械的な査定のみで全く頼りにならないような業者も中には存在しています。

そのため、一戸建ての家の売却査定では必ず複数社(自分が納得のいく業者に出会うまで何社でも)から査定を取り比較することが大切です。

1-2. 査定額も大事だがその根拠はもっと大事

どのようなマーケティングを行っているかで業者の実力や良し悪しがわかる

複数の業者を比較する際に、査定額ばかりに目がいってしまう人が多いですが、実はそれ以上に大事なポイントが「査定の根拠」です。

不動産の売買は、売り手と買い手の合意で価格が成立する上、全く同じ物件は存在しない唯一無二の財産であるため、類似物件の売買事例や近隣相場といったものはあくまで一つの参考基準にずぎず、その物件の適正な価格査定をするにはより具体的なマーケティングが必要です。

しっかりとしたマーケティングを行なっている業者であれば、査定額の根拠について、その物件固有の事情を見極めて、「どんな人が購入者の候補で、どんな物件が競合となり得て、現在いくらで売出し中であり、それと比較した上で有利・不利な点はこうであるから、今回はいくらぐらいで売り出すのが妥当」といったような具体的な説明があります。

このようにしっかりとした良い業者を選ばないと、「売り出しても全く買い手つかない → 価格を下げる → 結局安く売る羽目になってしまう」という負のスパイラルに陥る可能性があるため注意が必要です。

1-3. 査定額と適正価格は必ずしもイコールではない

  • とりあえず媒介契約を取るためだけの高額査定に注意
  • 一社のみの場合には反対に割安査定されるケースも…

前項のように、きちんとしっかりとしたマーケティングに基づく個別具体的な査定額の根拠を説明できる良い業者であれば「査定額=適正価格」と言えますが、中には、とりあえず媒介契約を取りたいがために不当に高額な査定額を提示してくる業者も存在するため注意が必要です。

そういった業者は、とりあえず専任媒介契約をして一定期間自社のみの専売状態をつくった後で、売出し前に価格の値下げを提案してきたり、一時高額なまま売出した後で、当然に買い手がつかないためすぐに値下げを提案してきて結局安く売るというのが常套手段です。

また、反対に一社だけの問い合わせで競合がいない状態の場合には、できるだけ早く売買を成立させて営業の手間を減らすために適正価格よりも敢えて安く査定をしてくるというケースもあるため、一社の言うことだけを鵜呑みにするのはご法度です。

1-4. 誰を売却ターゲットとするかで相場は変わる

明確なターゲット想定の上での査定になっているかを確認する

一戸建ての家は購入目的が自宅用の人と投資用の人では妥当と感じる価格が異なるのが一般的です。

そのため、誰を売却ターゲットとするか次第では、最終的な売却価格にも大きく影響する可能性あり、査定においても必ず確認すべきポイントです。

1-5. 最終的な売出し価格は自分で決めるべき

きちんとした相場確認のもと自分で決めた方が納得のいく売却ができる

当然のことならが、最終的な一戸建ての家の売出し価格の決定権はあくまで売主にあります。

そのため、もし自分の売却希望額と業者の査定額に差がある場合には、希望額が相場から大きく逸脱していない限りは、まずは希望額で売り出すようにするべきです。

結果的に、希望額では売れずに値下げすることになったとしても、その方が最終的に納得のいく満足度が高い売却になるでしょう。

1-6. 最初は一社と専任媒介契約、ダメなら複数社と一般媒介契約へ

専任媒介の方が良い条件を引い出しやすく優先的に頑張ってもらえる

一戸建ての家の売却の媒介契約には専任性の強さによって以下の3種類があります。

3種類の媒介契約
種類概要メリット・デメリット
専属専任媒介契約
  • 一社独占の専任契約
  • 売主が自分で探すのもNG
  • 契約有効期間は3ヶ月以内
  • 1週間に1回以上の報告義務
<メリット>

  • 良い条件が引き出しやすい
  • 優先してもらいやすい
  • 業務報告頻度が多い

<デメリット>

  • 一社の実力のみに依存する
  • 自分で探すのもNG
専任媒介契約
  • 一社独占の専任契約
  • 売主が自分で探すのはOK
  • 契約有効期間は3ヶ月以内
  • 2週間に1回以上の報告義務
<メリット>

  • 良い条件が引き出しやすい
  • 優先してもらいやすい
  • 業務報告がもらえる

<デメリット>

  • 一社の実力のみに依存する
一般媒介契約
  • 何社でも契約OK
  • 自分で探すのも当然OK
  • 契約期間の制限なし
  • 業務進捗報告義務もなし
<メリット>

  • 手広く依頼できる
  • 制約事項がほとんどない

<デメリット>

  • 業者への交渉力が弱くなる
  • 優先順位を落とされる可能性

それぞれ一長一短があるため、どれがベストかは一概には言えませんが、業者から見た際には一社独占の専任契約である「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」の魅力が当然に高く、言い換えると「様々な要望を聞いてもらいやすく、案件も優先して取り組んでもらえやすい」ということなるため、まず最初は信頼できる業者へ1~2ヶ月間の短期で専任契約して様子を見ることをおすすめします。

2. プロが使い分けている一戸建ての家売却のための3つの査定価格

不動産鑑定で用いられる3つの評価方法
方法概要影響する要素
1原価法再調達価格から築年数に応じて減価させる方法築年数
グレード
建設市況
2取引事例比較法直近の類似物件の売買成立価格を基準にする方法売買市況
間取り
立地
3収益還元法賃貸した場合の家賃を基に投資家の求める期待利回りから逆算する方法賃貸市場
投資価値

プロが一戸建ての家の売却の査定を行う際には、不動産鑑定に用いられる上記の3つの評価方法によりそれぞれの評価額を算定し、想定される買い主のニーズや物件・エリアの特性等に応じて補正をして適正価格を査定します。

この際、不動産業者の心理としては、「できるだけ早く案件をまとめて数をこなすために、良い物件を相場よりも安く媒介契約したい」というのが本音です。

そのため、何も考えずにすべて業者任せにしていると、適正相場よりも安く売却してしまい「本当はもっと高く売れたのに…」という後悔をする羽目にもなりかねません

このようなことにならないよう、自分でも上記3つの基準について基本的なことは理解しておき、信頼できる業者の見極めや、条件交渉を有利に進められるようにしておくことをおすすめします。

2-1. 原価法による評価額

重要度|★★★☆☆
築年数・グレード・建設市況が重要

原価法
再調達価格から築年数に応じて減価させる方法

プロが一戸建ての家の価格査定を行う際の1つ目の基準は、「原価法による評価額」です。

「原価法による評価額」とは、簡単に言うと、「仮に同じ物件を現時点で再調達(新築・購入)したとした場合に掛かるであろう費用から、築年数に応じた減価分(償却額)を差し引いて求めた現在評価額」です。

調達原価を基準としているため、建設市況の変化による建設費相場や築年数・建物グレード等が評価額にダイレクトに影響するポイントで、建設市況によって上下する可能性のある評価額です。

主に自宅用の一戸建ての家の売買の場合に参考にされています。

再調達価格の算定が難しいことと、物件のプレミア価格等の付加価値分が反映されないため、次項の「取引事例比較法」の方がより重視される傾向がありますが、十分な取引事例が確認できないエリア等の場合には原価法がより重視されます

2-2. 取引事例比較法による評価額

重要度|★★★★★
売買市況・間取り・立地が重要

取引事例比較法
直近の類似物件の売買成立価格を基準にする方法

プロが一戸建ての家の価格査定を行う際の2つ目の基準は、「取引事例比較法による評価額」です。

「取引事例比較法による評価額」とは、「直近で売買された類似物件の売買成立価格を基準にして、本物件との条件差分を調整して求めた現在評価額」です。

直近のマーケットの実績をそのまま評価の基準としているため、売買市況に連動して大きく変動する可能性があり、間取り・立地といった物件の人気を決める基本的な要素が重要となってきます。

都市部等、直近での売買取引事例が多いエリアでないと算出が困難ですが、売り手と買い手の合意で成り立つ一戸建ての家の売買において、最も実態に近い価格の算定が可能で、特に自宅用の一戸建ての家の売買の場合には最も重視されています

2-3. 収益還元法による評価額

重要度|★★★★★
賃貸市場・投資価値が重要

収益還元法
賃貸した場合の家賃を基に投資家の求める期待利回りから逆算する方法

プロが一戸建ての家の価格査定を行う際の最後3つ目の基準は、「収益還元法による評価額」です。

「収益還元法による評価額」とは、「本物件を仮に賃貸した場合に得られるであろう家賃を基に、そのエリアで投資家が購入する可能性の高い期待利回りで割り戻して求めた現在評価額」です。

家賃と期待利回りを基準としているため、市況による変動はあまり大きくありませんが、エリア性や間取り・広さ・立地等、そもそも投資物件としての価値があるかどうかによって大きな差が出てきます。

本物件を投資用として活用した場合の価値を算定した評価額であることから、投資家にとっては最も重要な基準で、投資家はこの「収益還元法による評価額」しか見ていないと言っても過言ではありません。

3. 買い主のターゲティング次第で妥当な一戸建ての家の売却査定は変わる!

買い主の購入目的と重視される評価基準
買い主の購入目的が「自宅用」「取引事例比較法」や「原価法」の評価が重視される
買い主の購入目的が「投資用」「収益還元法」の評価が重視される

買い主の購入目的には「自宅用」や「投資用」等様々な目的があり得ますが、「自宅用」なのか「投資用」なのかによっても妥当な売出価格が変わってきます。

購入目的が「自宅用」の場合には、取引事例比較法や原価法による価格の方が実態に則していて重視されやすいですし、「投資用」の場合には収益還元法による価格がより重視されます。

<よくある事例での価格比較>

仮に以下のような条件の物件を売却査定する場合

  • 築10年で新築分譲価格3,000万円の一戸建ての家
  • 土地と建物の評価額は同額程度
  • 物価(建築価格)や地価の変動はほとんどなし
  • 建物評価額は新築から10年で約30%程度減価
  • 賃貸した場合の月額家賃12万円
  • 新築家賃の経年による減価は5%程度
  • 投資家の表面期待利回り5%

【原価法の場合】
土地1,500万+建物1,050万(1,500万×70%)=評価額2,550万円

【収益還元法の場合】
現在の月額家賃11.4万(12万×95%)×12ヶ月÷表面期待利回り5%=評価額2,736万円

【取引事例比較法の場合】
類似物件の取引事例が、投資用メインだったのか自宅用メインだったのかで評価額は変わるが、概ね上記2つの評価額の範囲内になることが多い

※普通に査定依頼をすると、2,550〜2,736万円程度の範囲で査定額がバラつく可能性があるが、本ケースでは投資家向けに2,736万円程度で売出すのが良いと言える

上記の事例では、ターゲットを誰にするかで妥当な評価方法が異なり、その結果、最大で180万円以上評価額の差が生まれています。

そのため、一戸建ての家の売却相場判断の際には、「どんな人が最も高く買ってくれるのか?」といった買い主のペルソナ分析とターゲティングがとても重要であると言えます。

仲介業者を選ぶ際には、単なる査定額だけでなく、「どんな人をターゲットにするのか?(ターゲティング)」と「そのターゲットにはどんな価値観や志向があるのか?(ペルソナ分析)」の2点を確認し、信頼できる業者を選ぶようにしましょう。

4. 査定を上げて相場よりも高く一戸建ての家の売却するための6つの秘訣

一戸建ての家を高く売却するために最も大切なことは、同じような条件の競合物件よりも買い手から見た印象を良くすることです。

特に中古の一戸建ての家の購入者は、「価格・立地・間取り・広さ・設備グレード」といった基本的な条件がマッチする複数の物件を比較検討し、最も気に入った物件に購入希望を出すという行動をとります。

そのため、相場よりも高く一戸建ての家の売却するためには、基本的な条件の良さをアピールするだけでは足りず、競合物件と比較された際の相対的な印象の良さを演出することが大切です。

その演出の方法として、最も効果的な秘訣としては、以下の6つが挙げられます。

相場よりも高く一戸建ての家の売却する為の6つの秘訣
1重要度
★★★★★
広告用写真は必ずプロ仕様のものを用意してもらう
2重要度
★★★★★
目立つ損傷部は事前に補修しておく
3重要度
★★★★★
水回り部分は入念に掃除しておく
4重要度
★★★★★
内見前に不要な物は処分しておく
5重要度
★★★★☆
できるだけ家具がコーディネートされている状態で見せる
6重要度
★★★★☆
住んでみないとわからないようなプラス情報を整理して伝える

一つ一つは小さなことですが、実は、これらが完璧になされている物件は意外と少なく、すべて完璧にしていればそれだけで大きな差がつきます。

以下、具体的に解説していきます。

4-1. 広告用写真は必ずプロ仕様のものを用意してもらう

これは、業者選びの際の条件や比較ポイントとしても重視すべき点ですが、広告用の物件写真は必ずプロに撮ってもらった高品質なものを用意してもらうようにしましょう。

購入検討者は、必ずまず最初にインターネットで物件の広告写真を見て興味があるかを判断します

その際、プロが撮った写真か素人が撮った写真かでは明らかに大きな差があり、最初に興味を持ってもらえるかどうかだけでなく、その後の印象にも大きく影響するためマスト条件とも言えるぐらい重要なポイントです。

実例:某不動産広告サイトに掲載されていた同じ物件の広告写真比較

以下は、某大手不動産広告サイトに掲載されていた一戸建ての家売り物件の広告写真です。

それぞれの売り主が仲介業者との媒介契約に基づき、仲介業者によって広告掲載されているものですが写真のクオリティだけで全く物件の印象が異なってくるのがわかると思います。

<プロが撮ったであろう高品質な写真>

プロが撮ったであろう高品質な写真

<素人が撮ったであろう少し残念な写真>

①曇りの日に撮られた写真・②晴れの日だが全景が不明の写真

どちらの写真の方が問い合わせが多いかは、容易に想像ができるのではないでしょうか。

<写真掲載すらない物件広告>

写真掲載すらない物件広告

さらに最悪の場合には写真すらない物件広告も見受けられます…。

もはや問い合わせをする人が居るのかすら疑問が湧きます。

4-2. 目立つ損傷部は事前に補修しておく

物件の損傷部のbefore/after(出展:エースリペアHPより)

物件の損傷部のbefore/after(出展:エースリペアHPより)

インターネット広告の写真や条件に興味を持った購入検討者は、次に実際の物件の内見を行うのが一般的です。

そして、その際に重要なポイントの一つとして、目立つ損傷部は事前に補修しておくことをおすすめします。

それは、物件の印象にも大きく関わりますし、買い手からすると前のオーナーがどの程度大切に住んでいたかという点も意思決定の大きな材料になり得るからです。

あくまで同じような基本条件の物件の中で相対比較されているという点を肝に銘じ、最終判断は意外と小さな差で行われるということを強く意識しましょう。

4-3. 水回り部分は入念に掃除しておく

物件のコンロ周りの清掃before/after(出展:ぴかぴかハウスクリーニング柏HPより)

物件の浴槽部分の清掃before/after(出展:くらしのマーケットHPより)

浴室水栓の清掃before/after(出展:ホワイトハウスHPより)

一戸建ての家の住戸内で、物件の印象やグレード感を大き左右する箇所は水回り部分です

水回り部分は最も汚れが出やすく、前のオーナーの生活の仕方が一番現れる部分でもあります。

さらに、壁紙や建具・フローリング等は素人目にはあまり違いがわかりにくく印象に残りにくいのに対し、キッチン・トイレ・洗面台・ユニットバス等ははっきりと印象に残ります。

そのため、内見時に良い印象を演出する上で、水回り部分のきれいにしておくことは必須と言えます。

4-4. 内見前に不要な物は処分しておく

部屋の中のいらないものを処分before/after(出展:ここかじ魔法のお片づけより)

物件の良し悪しを判断する上で、非常に重要なポイントが、実際の広さだけでなく「感覚的に広く感じるか」という点です。

住戸の平米数自体は広くても、物が多くて感覚的に広く感じないということや、逆に、物があまりなく実際の平米数以上に広く感じるなどということは、誰もが経験したことがあると思います。

購入検討者が内見をするタイミングは大抵1度だけしかありませんので、その際に良い印象を持ってもらうためにも、できるだけ不要な物は処分して感覚的な広さを演出するようにしましょう。

4-5. できるだけ家具がコーディネートされている状態で見せる

家具がコーディネートされている状態で見せるbefore/after(出展:家撮り部HPより)

引越しのタイミングや売却の事情等で難しいケースもあると思いますが、できれば内見時には家具がコーディネートされた状態で見せる方が得策です。

新築一戸建ての家のモデルルーム等を見に行くと必ずおしゃれな家具ですべての部屋がコーディネートされていると思います。

これは、部屋の使い方をイメージしやすくしたり、上手くコーディネートすることでおしゃれな印象を与えたりといったメリットの他にも、空の部屋よりも部屋を広く見せられるといった効果もあります

よく、家具や家電等を買いに行った際に、「店頭では大きすぎて部屋に入らないのでは」と思ったモノが、実際に部屋に入れてみると意外ときれいに収まり、むしろ部屋が広く感じるという経験があるのではないでしょうか。

このように、程よく家具がコーディネートされている状態の方が、様々な点でメリットがありますので、できるだけ家具がコーディネートされている状態で内見対応されることをおすすめします。(※既に空き家になっている場合には、レンタル家具等でコーディネートまでやってくれる業者もあります。)

4-6. 住んでみないとわからないようなプラス情報を整理して伝える

内見のタイミングで購入検討者が確認したい項目は、実際の物件の印象については当然ながら、日当たりや風通し・騒音等の住んでみないとわからない情報も多く含まれます。

そのため、ただ物件を見せるだけではなく、住んでみないとわからないようなその物件プラス情報を事前に整理しておき、直接伝えてあげるだけでも印象が良くなります。

住んでみないとわからないうようなプラス情報の例

  • 風通しが良く夏場夜はクーラーいらずで電気代が安い
  • 遮音性が高く近隣の騒音等は全く聞こえない
  • 近隣住人は非常に礼儀正しくて良い人ばかり…等

物件の印象だけでなく、住んだ後の生活のイメージも良く伝われば強力な差別化になります。

関連記事

今回ご紹介した一戸建ての家を高く売る為の秘訣以外にも、一戸建ての家の売却で損をしない為の注意点について網羅的にまとめた以下のページもご参考にして下さい。

住宅売却について提案するビジネスマン

一戸建ての家売却で絶対失敗しない14の注意点と高く売る6つの秘訣

5. 一戸建ての家の売却で利益を最大化するための賢い査定の進め方

最後に、これから一戸建ての家の売却を本格的に検討していこうと思われている方の為に、一戸建ての家の売却で損をせずに、できるだけ多くの利益を得るための賢い査定の進め方について具体的にご紹介しておきます。

ポイントは、「仲介手数料」と「売出し価格」の2つ

一戸建ての家の売却で利益を最大化するためには、下記の2つを意識することが大切です。

  • 賢く見積もり査定を取り、「売出し価格を高く」する
  • 売却費用でも最も大きな「仲介手数料」を抑えつつ、それでも買い主を見つけて来れる力のある仲介業者に依頼する

一戸建ての家を売る際には様々な費用が掛かりますが、売り方次第ではあまり費用を掛けずに売却することも可能です。

そして、その中で最も大きな金額を占める重要な費用が「仲介手数料」です。

仲介手数料は、不動産業者や交渉によっても変わってきますが、宅建行法により上限額が決められており、ほとんどの業者がその上限で料金設定しています。

宅建行法に基づく、仲介手数料の上限額は以下の通りです。

宅建業法に基づく仲介手数料の上限額
「売買価格」 × 3% + 6万円 + 消費税
売買価格3,000万円(消費税10%)の場合105万6000円

売り主にとっての利益を最大化するためには、この「仲介手数料」を抑えながら、「売出し価格を高く」して、それでも買い主を見つけて来れる力のある仲介業者に依頼することが最も大切です。

5-1. 仲介手数料を安く抑えるには

前述の通り、仲介手数料は、何も言わなければほとんどの業者で上限価格設定されているため、必ず複数社比較しながら安くしてもらうよう交渉することが大切です。

交渉によっては、通常3%のところを2%で引き受けてもらえるといったようなケースも多く、仮に売却価格3,000万円の物件であればそれだけで税込み33万円も費用を抑えることができます。

そのため、まずは無料一括査定サービス等を活用して、複数の業者に売却価格の査定と共に媒介条件の提示をお願いするようにしましょう。

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5-2. 売出し価格を高くするには

結論から言うと、複数社から査定を取り、最も高い査定額(場合によってはそれ以上の価格)を基準に、その価格で売出す前提での条件をそれぞれの業者と交渉することが必須です。

物件の売出し価格は、売り主に決定権があるため、ある程度自分で決めることができます。

しかしながら、仲介業者は媒介契約を結ぶと買い主を見つる努力をする義務が発生するため、自分の実力以上の仕事や条件が割に合わない仕事は当然に受けません

仲介業者からすると、「できるだけ条件の良い物件を相場より安く仲介することで、早く簡単に仕事が回せる」というメリットがあり、自分たちが無理なくまとめられる価格でしか査定しないという裏事情もあります。

そのような、業者都合の理由で売り主が損をするというのはあってはなりませんので、必ず複数社から査定を取ると共に自身でも相場を調べ、最低でも最高査定額(それが腑に落ちない場合には自身で調べた価格)を基準にそれぞれの業者と交渉するようにしましょう。

6. まとめ

いかがでしたでしょうか。

「一戸建ての家の売却査定や賢く売却する方法」についての疑問や悩みが解消できたのではないでしょうか。

一戸建ての家の売却は、一見難しそうで、「とても多くの手間や労力が掛かるのでは?」という勘違いをされている人も多いですが、売却後の確定申告も含めて実は意外と簡単に売却できてしまいます。

本ページでは「一戸建ての家の売却査定や賢く売却する方法」について、重要なポイントは出来る限り網羅的にご紹介してきましたので、上記の内容をしっかりと理解した上で、後悔しない上手な売却を検討してみて下さい。

〈本ページでご紹介したサービス・業者〉

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※売却検討にあたっては、同時に「貸した場合の収益性」も検討すべきです。

基本的には売った方が良いというのが筆者の考えではありますが、

  • 資産価値が落ちにくい都市部等にある
  • 年間賃料が売却査定額の5%以上(表面利回り5%以上)で貸せる

なら賃貸物件として保有するのも賢い選択の一つです。

さらに、賃料査定書があると、賃貸した場合の収益性を示す根拠資料となり、売却に際して買い手の安心材料に繋がり非常に有利に働きます。そのため、「売却価格の無料一括査定」と同時に「賃料の無料一括査定」もしておきましょう。

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