引っ越しの際に年金の手続きは必要?元窓口職員が教える注意点

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「引っ越し時の年金の手続きって必要なの?」「引っ越しの際の年金の手続き方法について知りたい」など引越し時の年金の手続きについて知りたいと思っていませんか?

引っ越し時の年金の手続きは人によって、手続き内容が異なるなど間違えやすいので気をつけましょう。

この市役所で窓口担当だった筆者が、これまでの経験やリサーチ、法律をもとに引っ越しの際のマイナンバーの住所変更の方法を下記の流れで解説をしていきます。

この記事を読めば、引っ越しの際にすべき年金の手続きの方法がわかり、年金手続きに関する疑問が解消されるでしょう。

1.引っ越し時の年金の手続きって必要なの?

引っ越し時は国民年金の住所変更の手続きが必要です。

ただ、自営業者や農業者とその家族(第一号被保険者)以外の人は基本的に勤務先が行ってくれることが多いです。

自営業者や農業者とその家族の人(第一号被保険者)は役所へ行き手続きをする必要があります

すでに年金をもらっている人は?

すでに年金をもらっている人は引っ越し時の手続きは基本的に不要です。

ただ場合によっては必要なこともあるので【Q3.すでに年金を受給している場合も手続きは必要?】で詳しく解説しています。

それぞれの人が行う引越し時の年金の手続き

第一号被保険者の手続きに関しては、必要なものを持って引っ越し先の役所へ行けば、あとは窓口の場所や書類の書き方は窓口の人が教えてくれます。

それ以外の人は引越しした事を勤務先に伝えれば、基本的に勤務先が手続きをしてくれます。

場合によっては必要書類が求められる場合がありますが、勤務先から指示があるのでその通りに行えば問題ありません。

第一号被保険者第二号被保険者第三号被保険者
該当者・20歳以上60歳未満の自営業者、
農業者とその家族
・学生
・無職
・会社員
・公務員
・年収130万未満の主婦
(第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者)
手続き先引っ越し先の管轄の役所勤務先の会社扶養している人の勤務先
手続き期間引っ越し当日〜引っ越し後14日以内勤務先の指示による扶養している人の勤務先の指示による
必要なもの・被保険者住所変更届(役所にある)
・家族全員分の国民年金手帳
・窓口へ行く人の印鑑
・窓口へ行く人の本人確認書類
被保険者住所変更届
(勤務先が提出してくれる場合が多い)
被保険者住所変更届
(夫の勤務先が提出してくれる場合が多い)

なお、引っ越しの際は被保険者の種類に関係なく、全員が役所へ行って引っ越しの手続きをする必要があるので【4.引っ越し時に役所ですべき全手続き】で役所での手続きを紹介しています。

第一号被保険者の人も手続き不要の場合がある

引っ越ししても市区町村が変わらない場合、転居の手続き※の際に年金の住所変更も行ってくれる場合があります。

ただ、一緒に行ってくれるかは自治体ごとに異なります。

どちらにしろ、転居の手続き時に役所に年金手帳を持参し、窓口で確認すれば、必要に応じて手続きできるので、忘れずに持っていきましょう。

※引っ越しした全ての人が行う住民票移動の手続き

2.引っ越し時の年金の手続きの注意点

引っ越しの際は第一号被保険者も第二号被保険者の人もそれぞれ別の注意点があるのでまとめました。

第一号被保険者(自営業者、農業者とその家族)2-1.代理人手続きが面倒
第二号被保険者(会社員、公務員)2-2.勤務先への報告を忘れると勤務先に迷惑がかかる

なお、第三号被保険者は配偶者の勤務先で行ってくれるので、旦那さんが会社へ引っ越しの報告さえしてあれば問題ありません。

2-1.【第一号被保険者の注意点】代理人手続きが面倒

役所での年金手続きは「引っ越しをする本人(家族全員)」「引っ越しする本人の世帯主」以外に「代理人」でも手続きができますが、代理人に任せるよりも、自分でした方が楽です。

なぜなら、年金の手続きだけ代理人に依頼しても、結局、他の手続きのために自分で役所へ行かなくてはならないからです。

なお、他の手続きも含め代理人にお願いした場合でも、ぞれぞれの手続きを間違えないよう事前に代理人とやりとりしなければならず、逆に手間がかかる事が多いです。

土日に手続きできる場合もある

平日に役所へ行く時間がなかなか取れない人は、自治体によって土日でも対応している場合があるので、まず引っ越し先の役所が土日にやっているかどうか?を調べましょう。

自分の自治体が休日でも対応してくれるかどうかは「お住まいの市区町村名+休日窓口」とインターネットで検索すると調べられます。

どうしても代理人による手続きをしたい場合

前述の内容を把握した上で代理人による手続きを行う場合は下記のものが必要になります。

代理人によるマイナンバーの手続きに必要なもの

  • 手続きが必要な人の年金手帳
  • 代理人の本人確認書類
  • 代理人の印鑑
  • 引越しする人が書いた委任状

委任状は各自治体で様式がバラバラなので「お住まいの市区町村名+委任状」とインターネットで検索して手続きする自治体のダウンロードしましょう。

▼委任状の書き方見本

引用:神奈川県横浜市ホームページ

2-2.【第二号被保険者の注意点】勤務先への報告を忘れると勤務先に迷惑がかかる

従業員が引越しをすると会社では国民年金や厚生年金(公務員の場合共済年金)を含めた社会保険の手続きを行う必要があるので、引っ越しした際は必ず事前に勤務先へ伝えましょう。

連絡を怠ると社会保険の手続きが必要になった際会に、実際の住所と違う住所で手続きをすることになり、手続きのやり直しが発生することもるので、会社に迷惑をかけることになります。

具体的にすべきこと上司と社会保険などの手続きを管轄している部署や係に引っ越しを報告
連絡の時期の目安引っ越しの1~2週間前
用意するもの年金手帳
住民票

手続きに関する連絡はメールで行い、上司への連絡は口頭で直接伝えるようにしましょう。

会社への報告のメール例文

総務部人事課ご担当者殿

この度引っ越しをすることとなりましたため、必要な手続きや書類などについてご指示いただきたく存じます。

※新住所を記入※

お手数おかけしますが、何卒よろしくお願いいたします。

3.引越しの際の年金の手続きのQ&A

Q1.手続きしないとどうなる?

A.年金に関する書類が届かなくなります。

そのため、人によっては支払いや受給が遅れてしまう可能性があります。

Q2.手続きが遅れる罰則はある?

A.ありません。

Q3.すでに年金を受給している場合も手続きは必要?

A.基本的に不要です。

ただ、日本年金機構にマイナンバーが収録されていない場合は必要になります。

マイナンバーの収録状況は、「ねんきんネット」や最寄りの「年金事務所」で確認できます。

Q4.結婚して氏名が変わった場合も手続きが必要?

A.基本的に不要です。

ただ、日本年金機構にマイナンバーが収録されていない場合は必要になります。

マイナンバーの収録状況は、「ねんきんネット」や最寄りの「年金事務所」で確認できます。

Q5.離婚して氏名が変わった場合も手続きが必要?

A.必要です。

第1号被保険者は会社に指示にしたがって手続きを行います。

第1号被保険者は下記の必要なものを持参して役所、または最寄りの「年金事務所」で手続きができます。

  • 国民年金被保険者関係届書(窓口に用意されています。)
  • 資格喪失証明書(※)
  • 年金手帳
  • 本人確認書類(免許証・パスポート・個人番号カードなど)

扶養から外れた日が確認できる書類で、夫の扶養に入っていた人は夫の勤務先から発行されます。

Q6.単身赴任で住民票を変えない予定ですが年金の手続きは必要?

A.不要です。

4.引っ越し時に役所ですべき全手続き

引っ越しの際は被保険者の種類に関係なく、全員が役所へ行って引っ越しの手続きをする必要があります。

なお、役所での手続きはあなたが「違う市区町村」へ引っ越すのか、「同じ市区町村内」での引っ越しなのかによって手続きパターンが異なり、すべき手続きや必要なものが異なるので気をつけましょう。

なお、役所での手続きは手続きのパターンに関わらず、引っ越し日から14日以内に行うように法律で義務付けられています。(住民基本台帳法第二十三条

自治体から手当などを受け取っている人は期間内に手続きを行わないと、手当がもらえなくなったり資格を失効してしまう可能性もあります。

4-1.市外への引っ越しですべき「手続き一覧」と「必要なもの」

違う市区町村へ引っ越しをする場合、「引っ越し前の役所」と「引っ越し後の役所」にそれぞれ1回ずつ(計2回 )手続きをしに行く必要があります。

役所ごとに必要な手続きと必要なものが違うので、それぞれ一覧表を作成しました。

なお、書類は窓口にあり、窓口の場所や窓口の場所は役所の人に聞けば教えてもらえます。

引っ越し前の役所

「引っ越し前する役所での手続き」は引越しの前後どちらでもできますが、一般的には引越し前に行うことが多いです。

なぜなら、引っ越し後に「転出した役所」まで手続きしに行くのは手間がかかるからです。

下記の表で、「自分のすべき手続き」を確認し「本人確認書類+印鑑+α」を持参すれば、引っ越し前の役所ですべき手続きをまとめて行うことができます。

手続きすべき人すべき手続き必要なもの
(印鑑+本人確認書類+α)
 転出届の提出
(住民票の移動手続き)
全員なし
印鑑登録の抹消印鑑登録をしている人□印鑑カード
□登録している印鑑
国民健康保険の資格喪失申請国民健康保険に加入している人□同一世帯全員分の国民健康保険証
児童手当受給自由消滅届の提出児童手当をもらっている人なし
介護保険被保険者証の返納介護保険の給付を受けている人□介護保険被保険者証
原付の廃車手続き原付を持っている人□外したナンバープレート

引っ越し後の役所

これまでと違う市区町村へ引っ越しをする人が、「引っ越し後の役所ですべき手続き」と「その手続きに必要なもの」をまとめました。

「本人確認書類と印鑑」に加えて、引っ越し前の役所で受け取った書類が必要な場合が多いので忘れないようにしましょう。

手続きすべき人すべき手続き必要なもの
(印鑑+本人確認書類+α)
転入届の手続き
(住民票の移動)
全員□「転出証明書」または「マイナンバーカード」
マイナンバーの住所変更全員□同一世帯全員分のマイナンバーカードか通知カード
印鑑登録印鑑登録をしている人□登録したい印鑑
国民健康保険の加入国民健康保険に加入している人□転出証明書
妊婦健康診査受診票の交換母子手帳を持っている人各自治体によって異なる
児童手当認定請求書の提出児童手当をもらっている人各自治体によって異なる
要介護・要支援認定の申請介護保険の給付を受けている人□介護保険受給資格証
原付の住所変更原付を持っている人□廃車申告受付証
犬の住所変更犬を飼っている方
(猫の場合は不要)
□鑑札

4-2.市内の引っ越しですべき「手続き一覧」と「必要なもの」

同じ市区町村で引っ越しをする人が、「住んでいる役所ですべき手続き」と「その手続きに必要なもの」をまとめました。

なお、書類は窓口にあり、窓口の場所や窓口の場所は役所の人に聞けば教えてもらえます。

そのため、チェックリストですべき手続きを確認し、各手続きに「必要なもの」を持参して1度役所へ行けば、役所での引っ越し手続きは完了です。

手続きすべき人すべき手続き必要なもの
(印鑑+本人確認書類+α)
転居届の提出
(住民票の移動手続き)
全員なし
マイナンバーの住所変更全員□同一世帯全員分のマイナンバーカードか通知カード
国民健康保険の住所変更国民健康保険に加入している人
(主に自営業の人)
□同一世帯全員分の国民健康保険証
 犬の住所変更犬を飼っている方
(猫の場合は不要)
□鑑札

【番外編】時系列順にわかる!引っ越し時にすべき全手続き・手順

引っ越しのすべき手順についてもっと詳しく知りたい方へ、引っ越し時にすべき手順を「いつ」「何をすべきなのか?」がわかるようにチェックリスト化しました。

すべきことすべき人
 引っ越しを決めたらすぐにすべきこと
賃貸物件の解約賃貸で家を借りている人
引っ越し業者の選定・申し込み引っ越し業者をまだ決めていない人
学校の転校引っ越しでお子さんが別の小学校・中学校へ通うことになる方
保育園や幼稚園の転園お子さんが別の保育園・幼稚園へ通うことになる方
引っ越し前になるべく早くしておくべきこと
ネット回線(特に固定回線)の移転光回線などの固定回線を使っている人
CS放送やケーブルテレビの契約CS放送やケーブルテレビの契約をしている人
粗大ゴミを処分する引っ越しで通常捨てられない粗大ゴミが出そうな方
火災保険・地震保険の解約・変更これらの保険に加入している方
電気の移転・解約全ての人
水道の移転・解約全ての人
ガスの移転・解約全ての人
NHKの住所変更NHK受信料を払っている人
郵便物の移送全ての人
新聞の住所変更新聞を購読している方
荷造り全ての人
 引っ越しの1〜2週間前に役所ですべきこと
転出届の提出違う市区町村に引っ越しをする人
印鑑登録の抹消違う市区町村に引っ越しをする人で、印鑑登録をしている
国民健康保険の国民健康保険に加入している人で、別の市区町村へ移る人
 児童手当の住所変更児童手当を受け取っている人で、別の市区町村へ移る人
介護保険被保険者証の返納介護保険の給付を受けている方で、別の市区町村へ移る人
原付の廃車原付を持っていて、他の市区町村に引っ越す方
新居に引っ越したらまずすべきこと
電気・水道の利用開始引っ越しの各事業者に申し込みをしていない人
スマホの住所変更スマホを契約している人
引っ越したら役所ですぐにすべきこと
転入届の手続き他の市区町村から引っ越してきた人(転入届)
転居届の手続き同一の市区町村で引っ越しを行った人
国民健康保険の住所変更国民健康保険に加入している人
国民年金の住所変更国民年金に加入している人
マイナンバーの住所変更全ての人
妊婦健康診査受診票の交換妊娠中や出産後の人
バイクの住所変更バイクを持っている人
免許証の住所変更免許証を持っている人
車庫証明書の申請原則、自動車を持っている人
自動車の住所変更自動車を持っている人
犬の住所変更犬を飼っている方(猫の場合は不要)
引っ越し後なるべく早くしておくべきこと
銀行への住居変更銀行口座を持っている人
クレジットカードの住所変更クレジットカードを持っている人
パスポートの本籍地変更引っ越しで本籍の都道府県が変わった人

PDFで確認したい方は【PDFファイル】をご利用ください。

上記の細かな手続きの方法については別記事の「引っ越しですべき36の手続き|チェックリストでやり忘れを防ぐ!」で詳しく解説しています。

まとめ

引っ越しの際の年金の手続きについてお分かりいただけたでしょうか?

引っ越し時は年金の住所変更の手続きが必要です。

ただ、自営業者や農業者とその家族(第一号被保険者)以外の人は基本的に勤務先が行ってくれることが多いです。

第一号被保険者の人は役所へ行き手続きをする必要があります。

第一号被保険者第二号被保険者第三号被保険者
該当者・20歳以上60歳未満の自営業者、
農業者とその家族
・学生
・無職
・会社員
・公務員
・第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者
(年収が130万円未満の人)
手続き先引っ越し先の管轄の役所勤務先の会社扶養している人の勤務先
手続き期間引っ越し当日〜引っ越し後14日以内勤務先の指示による扶養している人の勤務先の指示による
必要なもの・被保険者住所変更届(役所にある)
・家族全員分の国民年金手帳
・窓口へ行く人の印鑑
・窓口へ行く人の本人確認書類
被保険者住所変更届
(会社が提出してくれる場合が多い)
被保険者住所変更届
(会社が提出してくれる場合が多い)

あなたが年金の手続きについて理解をして、手続きができることを願っています。

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