引っ越し時の住民税ってどうなる?元市役所職員が教える注意点

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「引っ越ししたら住民税ってどうなるの?」「引っ越しすると住民税の手続きって必要なの?」など引っ越しの際の住民税の支払いや手続きについて知りたいと思っていませんか?

結論から言うと引っ越しの際は別途、住民税の手続きをする必要はありません。

手続き自体は不要ですが、知っておかないと納税が遅れたり、会社に迷惑をかける可能性がある注意点もあるので気を付けましょう。

この記事では市役所で窓口業務をしていた筆者が、これまでの経験やリサーチをもとに引っ越しの際に必要な「住民税に関する知識」や関係する手続きの方法について解説をしていきます。

この記事を読めば、引っ越し時の住民税に関する疑問を解消することができます。

1.引っ越しすると住民税はどうなるの?

翌年の納税分から新しい住所を管轄する自治体へ住民税を納税することになります。

ただ、別途、住民税に関する手続きを行う必要はありません。

1-1.引っ越し時の住民税の手続きは不要

引っ越し時の住民税の手続きは不要です。

引っ越しの際に必ずすべき、転出・転入・転居などの住民票の異動手続きをすれば、自動的に新しい住所へ納税されるようになるからです。

引っ越し後もこれまで通り支払いできる

「納税通知書が届き自分で支払いをしている人(自営業者など)」はこれまで通り届いた納税通知書で支払えます。

また、「会社の給与からの天引きで納税をしている会社員」も会社に引っ越ししたことを伝えればあとは会社が手続きして、これまで通り天引きで納税されます。

なお、住民票の移動の手続きの方法に関しては【3.引っ越しの際にすべき住民票の移動手続き】で解説をしています。

1-2.引っ越し時の住民税で知っておくべき3つの注意点

手続き自体は不要ですが、引っ越し時の住民税に関して知っておくべきことがあるので、まとめました。

引っ越し時の住民税で知っておくべき3つの注意点

  • 注意点1.引っ越しした年度の納税先は変わらない
  • 注意点2.会社に引っ越しを伝えないと会社に迷惑がかかる
  • 注意点3.住民票を移していないと納税が遅れたり会社に迷惑がかかる可能性がある

注意点1.引っ越しした年度の納税先は変わらない

引っ越しをしてもその年度の納税先は変わりません。

自営業で「納税通知書を使って分割支払いをしている人」も、手元にある納税通知書を使ってこれまで通り納税が可能です。

なお、新しい住所の自治体に住民税を納めるのは引っ越しをした翌年分からです。

翌年の新しい自治体への納税も、住民票の異動手続きをしていれば、新しい住所に納税通知書が届くようになっています。

納税先の切り替わりの仕組み

納税先はその年の1月1日に住民票のある自治体へ納税することになります。

そして、その1月1日に住民票のある自治体へ納税を行うのは、その年の6月から翌年の5月分までになります。

注意点2.会社に引っ越しを伝えないと会社に迷惑がかかる

会社員の人は引っ越しをしたら必ず会社へ報告をしましょう。

連絡を怠ると住民税の手続きを会社がする際に、実際の住所と違う住所で手続きをすることになり、手続きのやり直しが発生することもあるので、会社に迷惑をかけることになります。

まず、上司へ口頭で引っ越しを伝えて、その後、総務部などの社会保険などの手続きを管轄している部署や係にメールで伝えましょう。

会社への報告のメール例文

総務部人事課ご担当者殿

この度引っ越しをすることとなりましたため、必要な手続きや書類などについてご指示いただきたく存じます。

※新住所を記入※

引越しの日時については詳細が決まり次第、改めてご報告させていただきます。

お手数おかけしますが、何卒よろしくお願いいたします。

注意点3.住民票を移していないと納税が遅れたり会社に迷惑がかかる可能性がある

自分で納付を行っている人は、住民票を移していないと納税通知書が旧住所に送られてくるため、納税が漏れたり、遅れる可能性が出てきます。

なお、単身赴任などで住民票を移さない会社員もその旨を事前に会社に伝えておかないと、注意点2と同じ理由で会社に迷惑をかけること可能性があります。

2.引っ越し時に多い住民税に関するQ&A

引っ越し時を含む住民税に関する質問をまとめました。

Q1.そもそも住民税って何?

A.住民税とは住んでいる「都道府県」と「市区町村」に対して納める税金を足したものです。

なお、住民税は前の年の1月1日から12月31日の収入によって計算されます。

Q2.引っ越し前後の自治体で二重に請求されることはないの?

A.自治体間で連携が取れているので、二重請求になることはありません。

Q3.引っ越し先によって税金の額は変わる?

A.基本的には同じです。

一部、森林環境税などで年間300円~500円を+αで課税している自治体もありますが、ほぼ変わらないと考えて良いです。

Q4.納税が遅れるとどうなるの?

A.延滞金が発生します。

また、期限が遅れると手元にある納税通知書が使えず、別途手続きが必要になる場合もあります。

納税が遅れてもデメリットしかないので、必ず期限は守りましょう。

Q5.無職になったのに納税通知書が送られてきた

A.住民税は前の年の1月1日から12月31日の収入によって計算されるので、前の年に収入があれば納税する必要があります。

なお、前の年が無収入の場合は非課税になるので、もし、それでも納税通知書が届いた場合は送ってきた自治体の窓口に問合せを行いましょう。

窓口は「お住まいの市区町村名+住民税」と検索すれば出てきます。

Q6.普通徴収と特別徴収って何?

A.それぞれの徴収方法を表にまとめました。

種類税金の納め方該当者
普通徴収送られてきた納税通知書を使って銀行やコンビニで自分で支払う自営業、フリーランス
特別徴収給与から天引きされる会社員

Q7.住民税は一括と分割、どっちで支払った方がお得なの?

A.住民税を普通徴収で納める場合、一括と分割を選択できますが、どちらも変わりません。

Q8.転職したときの住民税はどうなるの?

A.退職する会社に事前に依頼をすれば、給与からの天引きを継続できます。

ただ、手続きが間に合わない場合は、自分で納付する普通徴収に切り替えるか、退職する会社に依頼して住民税をまとめて天引きしてもらうことも可能です。

もし転職先が決まっていない場合は、納税通知書が送られてくるので、それを使って自分で銀行やコンビニで支払うことになります。

3.引っ越しの際にすべき住民票の移動手続き

引っ越しの際は住民票の移動手続きを行わないと、最悪罰金を請求されることもあります。

また、住民税に関しても会社に迷惑がかかったり、住民税の納税通知書が旧住所に送られてくるなど、デメリットが多いので必ず手続きをしましょう。

3-1.住民票移動の手続き

引っ越しの際は住民票の移動の手続きをしないと、住民税の納税先が正しく切り替わりません。

なお、住民票の移動手続きは人によって手続きのタイミングなどが違うので注意が必要です。

転居と転出転入の手続き

書類は窓口にあり、「書き方や窓口の場所は役所の人に聞けば教えてもらえる」ので、下記の内容を把握しておけばどの自治体でも手続きを間違えることなく行うことができます。

「同じ市区町村内」での引っ越し「違う市区町村」への引っ越し
転居の手続き転出の手続き転入の手続き
すべき人同じ市区町村内で引っ越しする人違う市区町村に引っ越しする人
期間引っ越し「当日から14日以内引っ越し「当日の14日前〜14日後引っ越し「当日から14日以内
場所住んでいるところの役所引っ越し前の役所引っ越し後の役所
目的現在住んでいる役所に引っ越したことを伝える引っ越し前の役所に管轄外へ引っ越す事を伝える引っ越し後の役所に管轄内に引っ越してきた事を伝える
必要なもの本人確認書類
印鑑
本人確認書類
印鑑
本人確認書類
印鑑
マイナンバーカードまたは転出証明書

引っ越しの際は住民票の移動以外にもすべき手続きがあるので、転居時と転出・転入時でそれぞれまとめました。

3-2.転出・転入時にすべき「手続き一覧」と「必要なもの」

違う市区町村へ引っ越しをする場合、「引っ越し前の役所」と「引っ越し後の役所」にそれぞれ1回ずつ(計2回 )手続きをしに行く必要があります。

役所ごとに必要な手続きと必要なものが違うので、それぞれ一覧表を作成しました。

なお、書類は窓口にあり、窓口の場所や窓口の場所は役所の人に聞けば教えてもらえます。

引っ越し前の役所転出・転入時

「引っ越し前する役所での手続き」は引越しの前後どちらでもできますが、一般的には引越し前に行うことが多いです。

なぜなら、引っ越し後に「転出前の役所」まで手続きしに行くのは手間がかかるからです。

下記の表で、「自分のすべき手続き」を確認し「本人確認書類+印鑑+α」を持参すれば、引っ越し前の役所ですべき手続きをまとめて行うことができます。

手続きすべき人すべき手続き必要なもの
(印鑑+本人確認書類+α)
印鑑登録の抹消印鑑登録をしている人□印鑑カード
□登録している印鑑
国民健康保険の資格喪失申請国民健康保険に加入している人□同一世帯全員分の国民健康保険証
児童手当受給自由消滅届の提出児童手当をもらっている人なし
介護保険被保険者証の返納介護保険の給付を受けている人□介護保険被保険者証
原付の廃車手続き原付を持っている人□外したナンバープレート

引っ越し後の役所

これまでと違う市区町村へ引っ越しをする人が、「引っ越し後の役所ですべき手続き」と「その手続きに必要なもの」をまとめました。

「本人確認書類と印鑑」に加えて、引っ越し前の役所で受け取った書類が必要な場合が多いので忘れないようにしましょう。

手続きすべき人すべき手続き必要なもの
(印鑑+本人確認書類+α)
マイナンバーの住所変更全員□同一世帯全員分のマイナンバーカードか通知カード
印鑑登録印鑑登録をしている人□登録したい印鑑
国民健康保険の加入国民健康保険に加入している人□転出証明書
国民年金の住所変更国民年金に加入している人□国民年金手帳
妊婦健康診査受診票の交換母子手帳を持っている人各自治体によって異なる
児童手当認定請求書の提出児童手当をもらっている人各自治体によって異なる
要介護・要支援認定の申請介護保険の給付を受けている人□介護保険受給資格証
原付の住所変更原付を持っている人□廃車申告受付証
犬の住所変更犬を飼っている方
(猫の場合は不要)
□鑑札

3-3.転居時にすべき「手続き一覧」と「必要なもの」

同じ市区町村で引っ越しをする人が、「住んでいる役所ですべき手続き」と「その手続きに必要なもの」をまとめました。

なお、書類は窓口にあり、窓口の場所や窓口の場所は役所の人に聞けば教えてもらえます。

そのため、チェックリストですべき手続きを確認し、各手続きに「必要なもの」を持参して1度役所へ行けば、役所での引っ越し手続きは完了です。

手続きすべき人すべき手続き必要なもの
(印鑑+本人確認書類+α)
マイナンバーの住所変更全員□同一世帯全員分のマイナンバーカードか通知カード
国民健康保険の住所変更国民健康保険に加入している人
(主に自営業の人)
□同一世帯全員分の国民健康保険証
国民年金の住所変更国民年金に加入している人□加入している人全員分の国民年金手帳
 犬の住所変更犬を飼っている方
(猫の場合は不要)
□鑑札

【番外編】時系列順にわかる!引っ越し時にすべき全手続き・手順

引っ越しのすべき手順についてもっと詳しく知りたい方へ、引っ越し時にすべき手順を「いつ」「何をすべきなのか?」がわかるようにチェックリスト化しました。

すべきことすべき人
 引っ越しを決めたらすぐにすべきこと
賃貸物件の解約賃貸で家を借りている人
引っ越し業者の選定・申し込み引っ越し業者をまだ決めていない人
学校の転校引っ越しでお子さんが別の小学校・中学校へ通うことになる方
保育園や幼稚園の転園お子さんが別の保育園・幼稚園へ通うことになる方
引っ越し前になるべく早くしておくべきこと
ネット回線(特に固定回線)の移転光回線などの固定回線を使っている人
CS放送やケーブルテレビの契約CS放送やケーブルテレビの契約をしている人
粗大ゴミを処分する引っ越しで通常捨てられない粗大ゴミが出そうな方
火災保険・地震保険の解約・変更これらの保険に加入している方
電気の移転・解約全ての人
水道の移転・解約全ての人
ガスの移転・解約全ての人
NHKの住所変更NHK受信料を払っている人
郵便物の移送全ての人
新聞の住所変更新聞を購読している方
荷造り全ての人
 引っ越しの1〜2週間前に役所ですべきこと
転出届の提出違う市区町村に引っ越しをする人
印鑑登録の抹消違う市区町村に引っ越しをする人で、印鑑登録をしている
国民健康保険の国民健康保険に加入している人で、別の市区町村へ移る人
 児童手当の住所変更児童手当を受け取っている人で、別の市区町村へ移る人
介護保険被保険者証の返納介護保険の給付を受けている方で、別の市区町村へ移る人
原付の廃車原付を持っていて、他の市区町村に引っ越す方
新居に引っ越したらまずすべきこと
電気・水道の利用開始引っ越しの各事業者に申し込みをしていない人
スマホの住所変更スマホを契約している人
引っ越したら役所ですぐにすべきこと
転入届の手続き他の市区町村から引っ越してきた人(転入届)
転居届の手続き同一の市区町村で引っ越しを行った人
国民健康保険の住所変更国民健康保険に加入している人
国民年金の住所変更国民年金に加入している人
マイナンバーの住所変更全ての人
妊婦健康診査受診票の交換妊娠中や出産後の人
バイクの住所変更バイクを持っている人
免許証の住所変更免許証を持っている人
車庫証明書の申請原則、自動車を持っている人
自動車の住所変更自動車を持っている人
犬の住所変更犬を飼っている方(猫の場合は不要)
引っ越し後なるべく早くしておくべきこと
銀行への住居変更銀行口座を持っている人
クレジットカードの住所変更クレジットカードを持っている人
パスポートの本籍地変更引っ越しで本籍の都道府県が変わった人

PDFで確認したい方は【PDFファイル】をご利用ください。

上記の細かな手続きの方法については別記事の「引っ越しですべき36の手続き|チェックリストでやり忘れを防ぐ!」で詳しく解説しています。

まとめ

引っ越し時の住民税がどうなるかについてお分かりいただけたでしょうか?

引っ越しをすると翌年分から新しい住所に住民税を納めることになります。

ただ、別途、住民税に関する手続きを行う必要はありません。

手続きは必要ありませんが、知っておくべき注意点があるのでまとめました。

引っ越し時の住民税で知っておくべき3つの注意点

  • 注意点1.引っ越しした年度の納税先は変わらない
  • 注意点2.会社に引っ越しを伝えないと会社に迷惑がかかる
  • 注意点3.住民票を移していないと納税が遅れたり会社に迷惑がかかる可能性がある

あなたが、引っ越し時の住民税についての不安を解消し、無事に引っ越しが終わることを願っています。

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