賃貸の敷金とは?全額返金してもらうために知っておくべき全知識

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「家を借りるときの敷金ってなに?」「敷金って返ってくるの?」など、敷金に関し疑問に思っていませんか?

賃貸の敷金は、担保としてオーナーに預けるお金で、退去するときに返ってきますが、知識がないと返金されないことに加え、追加で請求されることもあるので、注意が必要です。

このページでは、大手不動産会社に5年勤務し、現在も賃貸部門で働く筆者が、以下6つのことをご紹介します。

  1. そもそも敷金とはどんなもの?
  2. 敷金は契約内容がとにかく1番大事!
  3. 敷金なしの物件ってどうなの?
  4. 初期費用を安く抑えるための方法
  5. 入居中の人が知っておきたい、返ってくる敷金と返ってこない敷金
  6. 敷金を1円でも多く返してもらうためのポイント

すべて読めば、敷金が必要な理由と役割から、敷金を1円でも多く取り戻せるためのポイントまで知ることができるでしょう。

1. そもそも敷金はどんなもの?

敷金とは「部屋を綺麗に戻すための費用や「家賃滞納したときの担保」としてオーナーに預けておくお金で、契約するときに一度だけ支払うものです。

そして、更新するときはそのまま引き継がれるので、新たに敷金を支払う必要はありません。

また、関西では敷金のことを保証金と呼びますが、意味合いや役割はほぼ一緒です。

1-1. 敷金と礼金の大きく異なる点

  • 「敷金」返ってくる前提で預けるお金
  • 「礼金」お礼として支払うお金

敷金は預けるお金として、退去後に返ってくるものと、法律でも決められています。

対して礼金は、昔からの習慣によるもので、一切返ってこないお金です。

そして、返金される敷金は、退去から1~2ヶ月後に指定の口座などに入金されます。

1-2. 敷金の相場と2つの役割

敷金の相場は家賃の1~3ヶ月分なので、4ヶ月以上で設定されている物件は高いと思った方がいいでしょう。

そして、敷金には主に下記2つの役割があります。

  • 部屋を綺麗な状態に戻すための費用
  • お金のトラブルが発生したときの担保

部屋を綺麗な状態に戻すための費用

入居中に、汚したりキズ付けたりした部分を、元の状態に戻すための役割として敷金は使われます。

ただし、綺麗に使っていれば満額で返ってくるものと、国土交通省も「ガイドライン」で明確な基準を設けています。

詳しくは、5章「入居中の人が知っておきたい、返ってくる敷金と返ってこない敷金」で説明します。

お金のトラブルが発生したときの担保

お金のトラブルの中でも、家賃滞納の割合が非常に多く、そのときの担保の役割として敷金は使われます。

ただし、家賃を滞納したときに、あなたからオーナーに「敷金から補填してください」とは、言えない契約がほとんどなので、注意しましょう。

1-3. 敷金を安くすることはできるの?

敷金は預けるお金で、将来的には返ってくるものなので、基本的に安くならないと考えましょう。

ただし、敷金5ヶ月など、明らかに高い設定をされているときは、一度相談してみることが望ましいです。

別の項目を交渉しましょう

4ヶ月分以内など、敷金がそこまで高くない場合は、敷金ではなく、礼金や家賃など、別の部分を安くできないか交渉してみましょう。

詳しくは4章「初期費用を安く抑えるためのポイント」で解説するので確認してみましょう。

2. 敷金で損しないために注意する3つのポイント

敷金は、基本的に綺麗に使っていれば全額返ってくるものですが、契約の内容次第で、返金される金額が大きく異なります。

退去するときに、初めて知ったということにならないように、下記3つのポイントを詳しく解説していきます。

  1. 「償却」と「敷引き」
  2. ハウスクリーニング費用
  3. 入居前の室内確認

2-1.「償却」や「敷引き」には要注意

「償却1ヶ月」や「敷引き1ヶ月」など、どちらかが契約書に記載されていたら「家賃1ヶ月分は退去したとき返金しません」という意味のキーワードです。

このことを知らずに契約してしまうと、どんなに部屋を綺麗に使っていても、敷金1ヶ月分は必ず取られてしまうので、気をつけてください。

ペットを飼育するときに設定される

ペットを飼育するときは、通常より部屋が汚れることを予想できるので、修繕費として事前に返金しない金額を決めるケースが多いです。

このとき、償却か敷引きの金額はオーナーが自由に決めることができるので、1ヶ月か2ヶ月か、金額を確認してから契約しましょう。

2-2. ハウスクリーニング費用が設定されているか確認する

契約書の中に、ハウスクリーニング費用の内容が盛り込まれているときは、仮に、入居してから1ヶ月で退去したときでも、必ず敷金から差し引かれてしまうので、事前に確認しましょう。

ハウスクリーニングの内容

不動産会社が提携してるクリーニング業者によって、料金はバラバラですが、一般的には下記の金額が相場となっています。

部屋タイプ相場
ワンルーム30,000円~45,000円
ファミリータイプ50,000円~80,000円

2-3. 入居前の室内確認も忘れずに対応する

鍵を受け取るときに、以下のようなチェックリストをもらえるので、最初から汚れていたり、傷がある部分に関しては、敷金から修繕費として差し引かれないように、チェックしておきましょう。

引用:原状回復をめぐるトラブルとガイドライン

一般的に、入居開始から10日以内を目処に返送するようにしましょう。遅れると「あなたが壊したのでは」などと疑われ、敷金から差し引かれる恐れがあります。

3. 敷金なしの物件ってどうなの?

理由はさまざまですが、オススメはできません。

単純に、人気のない物件が入居者を募るために、敷金0にしていることもありますが、最近では下記2つの理由が考えられます。

  • 家賃を最初から高く設定している
  • 家賃保証会社との契約を必須にしている

3-1. 家賃を最初から高く設定している

仮に、50,000円の物件で、毎月の家賃を2,000円高くするだけでも、2年間で48,000円多く入ることになります。

この場合だと、敷金を0にしても2年間住んでくれれば、ほぼ回収できるながれです。

つまり、部屋を借りるときの初期費用を安くして、入居しやすく見せているだけで、実質2年間で支払う金額はさほど変わらないのです。

家賃滞納されたらどうするの?

確かに敷金は、家賃を滞納されたときの担保として使われることもありますが、このようなケースの場合は、次に説明する保証会社を使うことでリスクを減らしています。

3-2. 家賃保証会社との契約を必須にしている

家賃保証会社とは、賃料の30~60%を契約時に払うことで、入居中に家賃を滞納したとき一時的に立て替えてくれるサービスです。

滞納したときは、保証会社がオーナーに家賃を払ってくれるので、敷金を担保として預かっておく必要がないため、敷金を0にして保証会社との契約を必須にしているのです。

支払ったお金は返金されない

仮に、契約のとき家賃の50%を保証会社に払っても、退去のとき一切返金されません。

そして、ハウスクリーニング費用も契約に盛り込んでいることが多く、退去のときは追加で支払いを求められることになってしまうので、気をつけましょう。

連帯保証人を用意できれば交渉しましょう

連帯保証人を用意できるのであれば、無駄な費用をかけないために「保証会社との契約ではなく、連帯保証人を申請させてください」と不動産会社に相談してみましょう。

渋るような感じであれば「敷金として1ヶ月分預けます」と言ってみるのもアリです。

返金されないお金は払わないようにする

「家賃保証会社の利用料」や「礼金」は退去のとき返ってこないお金なので、できる限りなしにするか、少しでも安くならないか交渉することが大切です。

4章では、敷金以外に安くできる方法をまとめて解説するので、確認してみましょう。

4. 初期費用を安く抑えるための方法

賃貸でかかる費用のうち、安くできる可能性があるのは以下7つなので、項目別に交渉方法を事前に確認しておきましょう。

賃貸の交渉可能な費用

まずは、物件情報などに書かれている項目の、下記の中から一つを選んで交渉してみましょう。

  • ①礼金(礼金が入っている場合)
  • ②仲介手数料(仲介手数料がかかる場合)
  • ③フリーレント(フリーレントが入っていない場合)
  • ④家賃(最後の手段)

交渉の成功度、削減額を踏まえ、上から優先的に交渉をするのがおすすめです。

上記に関しては、あまりに交渉が続くとオーナーへの印象が悪いので、できれば1項目、多くても2項目までにしておきましょう。

そして、具体的に契約のタイミングでは請求書をしっかり確認し、下記の観点が入っていれば交渉の余地がさらにあります。

  • ⑤火災保険料
  • ⑥鍵交換費用
  • ⑦入居安心サポート・消臭消毒オプション

それぞれどうやって交渉すればいいかを解説していきます。

私の経験上、交渉がうまくいった人は、トータルで家賃1ヶ月分以上、安くすることに成功しているので、できる範囲で交渉した方がいいです。

ただし、マナーとして申し込みをするタイミングで、不動産会社に交渉するようにしましょう。審査後に値引きしてくれと言うとオーナーの印象も悪く、入居を断られることもあります。

①. 礼金

礼金は削りやすく、インパクトも大きいので礼金がかかる場合は最優先で交渉しましょう。

礼金の場合はオーナーにも見返りがあるような交渉が望ましいので、以下のように、早く解約したら違約金を払うことを前提に交渉してみましょう。

有効な交渉方法

短期違約金を条件に入れて、1年以内の解約は賃料1ヶ月分を違約金として支払うので、礼金を0にしてください」

この条件で交渉すれば、ただ単に礼金を0にしてと言っているわけではないので、悪い気はされないでしょう。

期間は長い方が確率は上がる

少なくとも2年以上住むことが決まっている方であれば、1年以内ではなく2年以内に期間を延ばすことで、より交渉が成功する確率が高くなります。

そして、オーナーも「この人は長く住んでくれそう」と思われることもあるので、お互いに良い関係が築けるかもしれません。

他社の情報も確認してみる

礼金は不動産会社が自由に決められることもあるので「SUUMO」や「HOME’S」で希望の物件情報を確かめてみましょう。

A社では礼金1ヶ月、B社では礼金0ということもよくあります。

もし他社で礼金が0のときは不動産会社に「他社が礼金0で募集してるので、御社も同じ条件にしてください」と伝えてみましょう。

②. 仲介手数料

仲介手数料も比較的交渉しやすく、無料にできることも多いので、かかるようであれば交渉しましょう。

この際、2社〜3社に見積もりをとって最安の金額を不動産会社の担当者に伝えましょう。

こちらも「SUUMO」や「HOME’S」で希望物件を取り扱っている不動産会社を探して「初期費用をメールで送ってください」と伝えます。

そして、仲介手数料の金額を確認して「C社は仲介手数料無料で契約できると言ってるのですが、御社はどうですか?」と確認してみましょう。

物件名をインターネットで検索する

最近では、物件名を検索するだけで「●●マンション|仲介手数料無料」と、たくさん出てくるので、内覧前の段階の人は仲介手数料が安い会社から問い合わせるのもアリです。

③. フリーレント

フリーレントとは、決められた日数分の家賃が無料になることで、取得できる平均値は0.5ヶ月〜1ヶ月です。

インパクトも少なくはなく、毎月の家賃よりは交渉しやすいため、つけてくれるように頼みましょう。

実際に交渉するときは、下記のように交渉してみましょう。

有効な交渉方法

審査承認後、すぐに契約と契約金の支払いを済ませることを条件に、フリーレント1ヶ月を付けてくれませんか?

このように交渉すれば、オーナーもキャンセルの可能性は低いと思ってくれるので、交渉が成功しやすくなります。

そして、フリーレントは不動産業の閑散期にあたる「4月~12月」につきやすいです。

理由は、4月~12月は引越しする人が少ない時期なので、空き部屋が多くなり、オーナーも入居者募集に苦労しているからです。

④. 家賃

難易度は非常に高いものの、初期費用も毎月の費用も安くできるのが家賃です。

他の交渉に失敗した場合や、安くする余地がない場合はダメ元で交渉しましょう。

オーナーには「今すぐにでも契約する意思がある」と伝えることがなによりも大切で、私の経験上、下記のワードが有効的に使えます。

家賃交渉で使えるワード

  • 会社の決まりで、家賃が●●万円を切れば週末にでも契約することができる。
  • 別の物件と迷ってるが、こっちがあと●●円安くなるならこっちに決めたい。
  • 今週中に決める必要があって、契約金もすぐに支払える。

太文字で表したワードを使うことでオーナーは「いつ来るかわからない他の入居希望者を待つより、この人で決めた方がいいか」と思う確率が高くなります。

入居者が決まればオーナーには毎月の家賃収入が入りますが、値引きを断ったことで仮にそこから2ヶ月間部屋が埋まらないと、相当な痛手になるのです。

交渉する金額の目安

私の経験上、家賃に対してあまりにも大きい金額を交渉することは危険です。

なぜなら、オーナーから常識がないと判断され入居を断られてしまう恐れがあるからです。

そのため、下記の金額を目安に交渉してみましょう。

物件の家賃:交渉金額

  • 30,000円〜70,000円:1,000円〜3,000円
  • 70,000円〜100,000円:2,000円〜5,000円
  • 100,000円〜150,000円:3,000円〜7,000円
  • 150,000円〜200,000円:4,000円〜10,000円

⑤. 火災保険料

賃貸物件の火災保険は加入が必須ですが、オーナーが指定する保険会社に加入する義務はありません。

なので「自分で探して契約したいから、最低限の保証プランを教えてください」と、不動産会社に伝えましょう。

そして、教えてもらったプランを火災保険の会社に伝えればすぐに見合うプランを出してくれるので、あとは申し込みするだけです。

相場より安い火災保険会社

全労済」か「楽天損保」の火災保険が相場より半額近く安いので、不動産会社にここの会社で加入を希望すると伝えましょう。

契約完了したら保険証券が発行されるので、できる限り入居開始前までに提出することが望ましいです。

⑥. 鍵交換費用

鍵交換費用はオーナーが支払うことが妥当と国が定めてるので、原則はオーナーの管理業務のひとつです。

国交省ガイドラインには下記の通り記載されています。※21ページ記載

鍵の取替え(破損、鍵紛失のない場合) (考え方)入居者の入れ替わりによる物件管理上の問題であり、賃貸人の負担とすることが妥当と考えられる。

上記のことから、オーナーに費用を負担してもらうために、不動産会社の担当者へ下記のように伝えてみましょう。

「ガイドラインを確認したところ、鍵交換費用は貸主が負担することが妥当となっていたので、オーナーに負担して頂きたいです。」

私の経験上、「鍵交換費用を渋って契約がなしになるぐらいなら、オーナーが負担する」となったケースが比較的多いです。

礼金を払うときは必ず交渉する

礼金を払う物件なら了承してくれる確率も高くなり、必ず交渉することが望ましいので、下記のように伝えてみましょう。

「ガイドラインを確認したところ、鍵交換費用は貸主が負担することが妥当となっていました。今回は礼金も支払うので、礼金の一部から費用を負担して頂きたいです。」

ただ、ガイドラインも「妥当」という曖昧な表現を使っていることから、負担してくれるかはオーナー次第となるため、負担してくれたらラッキーぐらいの感覚で臨みましょう。

⑦. 入居サポート・消臭消毒オプション

大手不動産会社によくあるサービスですが、契約書に加入することが必須と明記されていない場合、加入するかは任意なので、担当者に必要ないと伝えましょう。

入居サポートはトラブルの際に24時間対応してくれるサービスで「2年間:1.5万円~2万円」を支払いますが、ほとんど役に立ちません。

ケース例として、水道トラブルのときは提携してる業者を手配してくれますが、作業に伴う部品代などの費用はすべて自費となり、入居サポートは一切負担してくれません。

つまり、入居サポートは提携してる業者を手配するだけです。自分で業者を手配したほうが安く済むケースもあるので、無駄と感じるオプションサービスと言えます。

消臭消毒オプションについて

このオプションは、2018年に問題となったアパマンショップを例に出すと、「消臭・抗菌代」として1万円~2万円を支払い契約し、室内にスプレーを噴射して消臭するオプションです。

何が問題かというと、入居前に不動産会社の担当者が作業するため、入居者は作業現場を確認できないことから、2年間で215件の契約をしたうち、127件が未実施だったことが判明したのです。

すべての不動産会社がずさんなサービスとは限りませんが、大手不動産チェーン店では同じようなオプションが各社用意されているので、不要と感じた方は「必要ないので外してください」と伝えるようにしましょう。

下記は大手不動産チェーンで用意されているオプションサービスです。

不動産チェーンオプション名
アパマンショップ安心入居サポート消臭・抗菌代
エイブルコンシェルジュ24ハウス消毒
ミニミニ入居安心サービス消毒料
ピタットハウス安心サポート消毒代

5. 入居中の人が知っておきたい、返ってくる敷金と返ってこない敷金

敷金は、基本的に返ってくるものですが、あなたが故意的に汚したりキズ付けたりした部分は、原状回復の費用として差し引かれます。

しかし、すべての汚れやキズが借主の負担となるわけではないので、項目別に分けて解説していきます。

5-1. 原状回復=完全にもとに戻す訳ではない

敷金の返金金額を左右する「原状回復」は、普通に使っていて古くなったものを借りた状態の時に戻せ、という訳ではありません。

国交相もガイドラインで明記していて、原状回復自体も、借りた当時の状態で戻すことではなく、あくまでも借主の故意・過失でによるものだけでいいと明記しています。

以下のように、ガイドラインでは通常の使用によるダメージ(古くなったことによる劣化など)に関してはオーナーが負担することが明確化されています。

借主が負担するべきなのは借主側の故意過失によって損なわれた建物価値だけで、普通に使っていたことによる建物の傷みなどはオーナー側の負担になると、国も基準を出しているのです。

返ってくる敷金と返ってこない敷金

国交相のガイドラインを元にまとめましたが、重要な点は「普通の生活をしている範囲内でのダメージか」です。

そして、契約書に特約などで書いていない限り、普通の生活の範囲内でのダメージ(オーナーが負担すべきもの)は差し引かれないことになっています。

では、なにを借主が負担すべきなのか項目別に、見ていきましょう。

5-2. 床の傷みに関して負担すべきもの、しなくていいもの

フローリングや畳など、「床」に関連したものは下記のように考えます。

借主が負担すべきもの(敷金の返還は難しい)オーナーが負担すべきもの(敷金の返還は可能)
  • 引越し作業で生じた傷
  • 雨などが吹き込んだ事による、畳やフローリングの色落ち
  • 落書きなど故意の汚れや傷
  • 家具の設置による床やカーペットのへこみや跡
  • (日照や建物の欠陥による雨漏りによる)畳の変色・フローリングの色落ち

その他、次の入居者のための畳の裏返し・表替え(表面を綺麗にする作業)やフローリングのワックスがけなどは、オーナーの負担になります。

ここは揉めるケースがあるので注意しましょう。

また、下記のように通常の使用をしていても、手入れが悪く、ダメージなどが残った場合は借主の負担になります。

  • カーペットに何かをこぼして、きちんと拭かなかった事によるカビやシミ
  • 冷蔵庫下のサビを放置して拭いても落ちなくなった

5-3. 壁や天井の傷みに関して負担すべきもの、しなくていいもの

壁や天井に関しては下記のように考えます。

借主が負担すべきもの(敷金の返還は難しい)オーナーが負担すべきもの(敷金の返還は可能)
  • タバコによるヤニや臭い
  • くぎ穴やネジ穴をあけた場合(画鋲の穴より大きいと危険)
  • 借主の所有するクーラーの水漏れを放置した事による壁の腐食
  • 天井に直接つけた照明器具の跡
  • 落書きなど故意の汚れや傷
  • テレビや冷蔵庫の後部壁面の黒ずみ
  • ポスターや絵を貼ったことによる日焼け跡
  • エアコンの設置によるビス穴・跡
  • 日照など自然現象によるクロスの変色
  • 壁の画鋲やピンなどの穴

また、下記のように通常の生活をしていても、手入れが悪く、ダメージなどが残った場合は借主の負担になる可能性があります。

  • 台所の油汚れ
  • 結露の放置によるカビやシミ
  • オーナーの所有するクーラーの水漏れを放置した事による壁の腐食

5-4. 建具(ふすまや柱)の傷みに関して負担すべきもの、しなくていいもの

襖(ふすま)や柱などの建具に関しては下記のようになります。

借主が負担すべきもの(敷金の返還は難しい)オーナーが負担すべきもの(敷金の返還は可能)
  • ペットによる柱などのキズ・臭い
  • 落書きなど故意の汚れや傷
  • 地震などでのガラスの破損
  • ガラスの加工処理などにより自然に生じた亀裂

その他、次の入居者のための網戸の張り替えは、破損していない限りオーナーの負担になります。

5-5. その他、負担すべきもの、しなくていいもの

その他の項目では下記のポイントです。特に、ハウスクリーニング、紛失していない鍵の取り替えは、揉めやすいので要注意です。

借主が負担すべきもの(敷金の返還は難しい)オーナーが負担すべきもの(敷金の返還は可能)
  • 鍵の紛失・破損による取り替え
  • (一戸建ての)庭に生い茂った雑草
  • 日常の不適切な手入れ・もしくは用法違反による設備の毀損
  • 鍵の取り替え費用
  • 設備の寿命による故障や使用不能
  • 通常の清掃以上のハウスクリーニング
  • 喫煙などの臭いが付着していない場合のエアコン洗浄
  • 台所やトイレの消毒
  • 浴槽や風呂釜の取り替え

また、下記のように通常の使用をしていても、手入れが悪く、ダメージなどが残った場合は借主の負担になります。

  • ガスコンロ置き場・換気扇等の油汚れ・すす
  • 風呂・トイレ・洗面台の水垢やカビ

5-6. 契約書次第なので要注意

上記の中で、オーナーの負担とすべきものも、契約書の特約などで、事前に借主が負担することが明記されているケースが多いです。(東京都の方は、「賃貸住宅紛争防止条例に基づく説明書」に記載。)

ガイドラインでオーナーが負担すべきとなっている項目でも、契約書に書かれていると基本的に借主の負担になります。

上記をもとに、契約書も見ながらどこまで請求できるのか考えましょう。契約書に書いてあると、たとえ借り手が負担すべきでないものも、負担することになります。

6. 敷金を1円でも多く返してもらうためのポイント

ここまでが、敷金が返ってくる基準でしたが、少しでも多く敷金を返してもらうためのコツはあります。

2つの状況に分けて説明していきますので、あなたの状況に合わせて確認してみましょう。

  • 退去予定の方
  • 今住んでいる賃貸物件の敷金をより多く返してほしい方

6-1. 退去予定の方

退去前の方は、不動産会社に部屋を引き渡すまえに、部屋を綺麗にするところから始めましょう。

下記の項目は、基本的に借主の負担になりますので、敷金から引かれないように、なるべく自分で綺麗にしたうえで不動産会社に引き渡しましょう。

  • 風呂場などの水垢
  • 子供の落書き
  • 不用品の残置

また、それ以外も立会い時にも注意点があります。

立会い時は一緒に損傷部分を確認する

立会い時は、不動産会社の人と一緒に必ず損傷部分をチェックしておきましょう。入居時のチェックリストもあれば用意し、あなたがつけた傷などでなければそこを強調しましょう。

また、何か損傷を指摘された場合も、上記の通常利用の範囲内の損傷であれば、「経年劣化のはず」と主張しましょう。

不動産会社以外の人が来た場合は要注意

不動産会社以外の、損傷を直すリフォーム専門の業者が、不動産会社と一緒に来たときは要注意です。そういった業者は高い金額を請求すればするほど修繕費で儲かるので、悪質な業者だと相場以上の金額を請求してきます。

一緒に確認し、相場以上の料金でないか気をつけるようにしましょう。

立会い時はサインを控える

また、立会い時、敷金・解約精算書にサインを求められる可能性がありますが、修繕費に納得できなければサインをせず、持ち帰って内容を確認しましょう。

「相場などを調べてからサインしたいので何日か待ってください」と伝えれば大丈夫です。

6-2. 今住んでいる賃貸物件の敷金をより多く返してほしい方

今の家に住んでいる方が、退去の日までに気をつけるべきなのは下記の3点です。

  • 落書き・キズなど故意・過失によるダメージに気をつける
  • こまめに掃除をし、手入れ不足で敷金が減らされるのを防ぐ
  • 何かあったらすぐに管理会社やオーナーに相談する

落書き・キズなど故意・過失によるダメージに気をつける

お子さんの落書きなど、故意・過失のダメージを防ぐのは基本です。

こまめに掃除をし、手入れ不足で敷金が減らされるのを防ぐ

特に、下記の面は、普通に使って汚れても、借主の手入れ不足になります。

  • カーペットに何かをこぼして、きちんと拭かなかった事によるカビやシミ
  • 冷蔵庫下のサビを放置して吹いても落ちなくなった
  • 台所の油汚れ
  • 結露の放置によるカビやシミ
  • オーナーの所有するクーラーの水漏れを放置した事による壁の腐食
  • ガスコンロ置き場・換気扇等の油汚れ・すす
  • 風呂・トイレ・洗面台の水垢やカビ

何かあったらすぐに不動産会社やオーナーに相談する

上記以外にも、住んでいて何か問題を見つけた場合は、すぐにオーナーに報告するようにしましょう。

契約書には「なにかあればすぐに不動産会社に連絡する義務」などが書かれていることがあり、その場合に報告しないと過失でなくても原状回復の費用を請求されることがあるので、注意が必要です。

7. まとめ

賃貸の敷金について説明してきましたが、いかがでしたでしょうか?

敷金は預けておくお金なので、退去時には返ってくるものと考え、できる限り部屋を綺麗に使うように心がけましょう。

そして、敷金を安くするのではなく、別の項目を安くするように交渉してみましょう。ただし、行き過ぎた交渉は入居を断られる恐れがあるので、注意が必要です。

また、敷金の返金に関して、より詳しい内容を知りたい方は、「不動産業者が教える「敷金」を最大限返還してもらうための全知識」を確認してみましょう。

あなたが敷金で悩むことなく、部屋を借りれることを陰ながら願っています。

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