賃貸の契約で印鑑証明を求められる理由と持っていない時の対処法

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印鑑証明の交付申請書イメージ

賃貸を契約するとき「印鑑証明は絶対に必要?」「印鑑証明はいつまでに用意するもの?」など、印鑑証明に関して疑問に思っていませんか?

不動産会社で契約するまでに、連帯保証人が発行した印鑑証明が必要なケースが多いですが、なくても家を借りれないということではありません

このページでは、大手不動産会社に5年勤務し、現在も賃貸部門で働く筆者が、以下の4つのことをご紹介します。

  1. 賃貸契約で印鑑証明が必要な理由とその役割
  2. 印鑑証明を発行するまでの手順
  3. 印鑑証明の登録を拒否されたときの対応
  4. 印鑑証明が悪用を防ぐ3つの方法

すべて読めば、印鑑証明を求められる理由から、悪用されることを防ぐ方法まで知ることができ、納得したうえで賃貸物件を契約できるでしょう。

1.賃貸契約で印鑑証明が必要な理由とその役割

印鑑証明は、契約書に押された印鑑が「実印」であることを証明する役割として必要となり、契約には3ヶ月以内に役所で発行された原本を求められます。

印鑑証明の例
印鑑証明書の見本

1-1.印鑑証明を連帯保証人が用意する理由は?

連帯保証人との契約では「連帯して保証することを認めます」という内容が重要になるため、実印での契約が基本となります。

仮に、認印で印鑑証明も不要だと、契約者が、どこにでも売ってる適当な印鑑を押すだけで、連帯契約が結ばれてしまいます。

こうならないために「本人しか持っていない実印」+「本人しか発行できない印鑑証明」をセットにすることで信用度が高くなり、不正が減るという理由から求められています。

1-2.契約者の印鑑証明も必要になることはある?

下記のケースのときは契約者の印鑑証明も必要となることがあります。

  • 不動産会社の規定で決めているとき
  • 仲介会社で契約するとき

不動産会社の規定で決められている

契約者も、実印での契約と決められていれば、契約者本人の印鑑証明も必要で、高額な物件を取り扱う不動産会社は、信用度を高めるために規定で決めていることが多いです。

仲介会社で契約するとき

オーナーや、物件を管理している会社の人と直接会うことなく契約が完了するときは、仲介会社で不正が行われないように、契約者本人も実印での契約を求められ、印鑑証明を提出することがあります。

1-3.印鑑証明はいつまでに必要?

原則、不動産会社で契約をするときまでに必要ですが、何らかの事情で間に合わないときは、鍵の引き渡し前までに提出するようにしましょう。

「鍵の引き渡しは契約書類がすべて揃ってから」と、規定で決めている不動産会社が多く、提出が遅れると鍵をもらえないケースもあるので、注意しましょう。

1-4.間に合わないときはどうすればいい?

不動産会社により対応が異なるので、事情を説明して対応策を提案してもらいましょう。

多くの場合が、提出期日を設けて入居後に提出するながれですが、厳しい会社だと覚書をかわす必要もあります。

連帯保証人が印鑑証明を持っていないときは?

役所で登録してもらうしか方法はありませんので、2章の登録する手順を確認しましょう。

1-5.印鑑証明のほかに役所で発行する書類は?

契約者の現住所に相違がないか証明するために、住民票を役所で発行する必要があります。

そして、一人暮らしだったら、契約者だけの住民票で問題ないですが、家族での引越しのときは全員の名前が入っている住民票を発行する必要があるので、注意しましょう。

住民票の住所を移していないときの対応

申し込みの段階で不動産会社にその旨を伝えておきましょう。

このときは、住民票を提出することに加え、光熱費のハガキなど、現住所に住んでいる証拠となるものを求められる可能性があるので、用意しておきましょう。

2.印鑑証明を発行するまでの手順

印鑑証明を発行するには、役所で印鑑を登録して、登録カードを作成できれば、印鑑証明を発行できます。

そして、印鑑証明を登録するには、住民票に登録されている住所の市区町村の役所でしか登録できないので、住民票を現住所に移していないときは、所定の役所に出向く必要があります。

また、登録をするには「本人が登録する」か「代理人に登録してもらう」の2つの方法があります。

2-1.本人が役所で登録するながれ

役所に用意されている、印鑑登録申請書に「名前・住所・生年月日」を書き、登録する印鑑を押して、身分証と手数料と一緒に、窓口に出せば登録できるので、役所が空いていれば10分ぐらいで登録できます。

印鑑証明の登録する流れ

印鑑登録申請書の記入例

印鑑登録申請書の見本

登録が完了したら

「印鑑登録カード」をもらえるので「印鑑証明交付申請書」に必要枚数を記入して窓口に出せば、発行してくれます。

また、窓口が混んでいるときは、備え付けの証明書自動交付機からでも発行することができ、このときは、印鑑証明を登録したときに設定する暗証番号を入力します。

窓口より自動交付機の方が手数料も安いことが多く、時間もかからないのでオススメです。

2-2.代理人が役所で登録するながれ

代理人が登録するときは、当日に登録カードを発行することができないため、本人の申請と比べると時間と手間がかかるので、注意しましょう。

そして、登録する手順は、申請作業を代理人の方に委託する旨を証明するための「代理人選任届」が必要です。

代理人選任届は、各自治体のHPからダウンロードできますので、印刷して本人が記入し、登録する印鑑と身分証のコピーと一緒に、代理人へ渡しましょう。

代理人による印鑑証明の登録手順

登録が完了したら

こちらも同様に、「印鑑登録カード」をもらえるので「印鑑証明交付申請書」に必要枚数を記入して窓口に出せば、発行してくれます。

そして、印鑑登録カードがあれば、別の自治体の自動交付機でも発行できますので、大切に保管しましょう。

2-3.登録に必要な持ち物を忘れてしまったとき

本人が役所に行った場合でも、当日に印鑑登録は完了できません。

登録には、免許証かパスポートなど顔写真付きの身分証が必要です。代理人へ任せるときに忘れてしまうと、登録までにかなりの日数がかかるので、気をつけましょう。

3.印鑑証明の登録を拒否されたときの対応

連帯保証人から「印鑑証明を登録する時間がない」「登録が必要なら連帯保証人にはならない」のように、依頼を拒否されてしまったら、保証会社を使いましょう。

なぜなら、賃貸を契約するときに、印鑑証明を求められるのは契約日の1週間ぐらい前で、ゆっくり準備している時間がないため、保証会社を使うことが望ましいです。

各不動産会社と提携している保証会社があるので、使いたいときは、不動産会社に相談しましょう。

3-1.保証会社は連帯保証人が不要になる

保証会社を使えば、連帯保証人を用意する必要がないので、印鑑証明もいりません。

契約のときは、自分の住民票だけ用意すればいいので、連帯保証人となる予定だった人にも迷惑をかけずに済みます。

3-2.保証会社はどんなサービス?

お金を払うことで、入居中に家賃を滞納したとき一時的に立て替えてくれるサービスです。

近年では、新規契約の6割以上が保証会社を使うぐらい大きな業界となり、国も認めているので安心して契約することができます。

誰でも使うことはできる?

審査をクリアして、家賃の30~60%を契約時に支払えば誰でも使えます。

滞納したときはオーナー(貸主)に立て替えてくれますが、一時的に立て替えているだけで、保証会社に返済する責任は必ず残りますので注意しましょう。

4.印鑑証明の悪用を防ぐ3つの方法

賃貸契約で提出した、印鑑証明が悪用される可能性は限りなく低いです。

なぜなら、印鑑証明は実印と一緒でないと効力がないからです。

しかし、印鑑証明はお金関係でも使われる大事な書類なので、以下の3つの方法で悪用を防ぎましょう。

  • 実印の押し方に注意する
  • 印鑑証明の有効性を明記する
  • 印鑑証明を新たに登録する

4-1.実印の押し方に注意する

契約書類に実印を押すときは、以下のように名前と重なるように押すことで、複製されるリスクが減ります。

実印の押し方イメージ

4-2.印鑑証明の有効性を明記する

印鑑証明に「○○マンションの賃貸契約にのみ有効」のように記載しておくと、他で使用することを防げますので、備考欄に手書きで書きましょう。

印鑑証明書のイメージ

4-3.印鑑証明を新たに登録する

賃貸契約を完了したあとに、役所で登録抹消して別の印鑑で新たに登録をすれば、提出した印鑑証明を悪用されても効力がなくなります。

この方法は法的にも問題はないので、心配な人はこの方法で悪用を防ぎましょう。

5.まとめ

賃貸の印鑑証明について説明してきましたが、いかがでしたでしょうか?

印鑑証明は「実印」であることを証明する役割として必要となり、契約には3ヶ月以内に発行した原本を求められます。

ただ、多くの場合が、連帯保証人だけが必要なので、事前に用意しておくことが望ましいです。

そして、連帯保証人に断られてしまったら、保証会社を利用してスムーズに契約しましょう。

最後に悪用されないように、取り扱いには注意しましょう。

あなたが賃貸を借りるときに、トラブルなく契約できることを願っています。

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