プロが教える!賃貸で保証人が用意する全ての書類と契約までの注意点

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「保証人が用意する書類ってなに?」「印鑑証明書は絶対に必要?」など、保証人の書類に関して、疑問に思っていませんか?

保証人の契約で、印鑑証明書は必ず必要な書類で、それ以外にも求められる書類があるので、事前に準備しておくことが望ましいです。

このページでは、大手不動産会社に5年勤務し、現在も賃貸部門で働く筆者が、以下4つのことをご紹介します。

  1. 保証人が求められるすべての書類
  2. 保証人の契約手続きに関する注意点
  3. 印鑑証明書の悪用を防ぐ3つの方法
  4. 保証人が必要な理由と連帯保証人の違い

すべて読めば、保証人が用意する書類を知ることができ、トラブルなくスムーズに契約することができるでしょう。

1.保証人が求められるすべての書類

賃貸を契約するときに、保証人が必ず用意する書類は、役所で発行する「3ヶ月以内に発行された印鑑証明書の原本」です。

宅建協会でも「保証人の契約には印鑑証明が必要」と、不動産会社にアナウンスしているので、全国どの物件でも変わらずに必要と言えるでしょう。

しかし、印鑑証明以外にも、物件により追加で求められる書類がいくつかありますので、項目別に解説していきます。

求められる確率コピー or 原本
印鑑証明書100%原本
身分証明書80%コピー
収入証明書50%コピー
住民票20%原本
年金振込通知書年金受給者の方コピー

1-1.印鑑証明書原本|求められる確率:100%

全国どの物件でも必要となる書類で、用意できないときは契約が成立しません。

また、実印と同じ陰影でないと効力はないので、実印とセットで準備しておくことが重要です。

必要な理由とは

不正な契約を結ばれないようにするためです。

例えば、お父さんが保証人になるとき、息子が勝手に契約書に名前を書いて、適当な印鑑を実印として捺印すれば、契約が成立してしまいます。

この不正を防ぐために、本人しか持っていない「実印」と、本人しか発行できない「印鑑証明書」をセットにすることで、信用度を高めているのです。

1-2.身分証明書コピー|求められる確率:80%

不動産会社は、どんな人が保証人になるのか把握することを理由に、免許証やパスポートなど、顔写真付きの身分証を求めてくることがあります。

ただ、印鑑証明と身分証という、重要な証明書を2つも提出することに抵抗がある人は、一度不動産会社に相談してみましょう。

提出は義務ではないので、印鑑証明+顔写真でも対応してくれることもあります。

会社の規定で決まっていることがある

厳しい会社だと、保証人の必要書類がすべて揃わないと、契約を認めないこともあります。

この場合、提出を拒否しても、契約ができなくなるだけなので、一度契約者と相談することが望ましいでしょう。

1-3.収入証明書コピー|求められる確率:50%

収入証明書は、審査の段階で、申込書に記載された年収に相違がないか確認するために、求められることがあります。

会社員の方であれば、源泉徴収票で対応できますが、会社代表者や自営業者の方は、公的な書類として「確定申告書」か「課税証明書」を用意する必要があります。

収入金額にも注意する

保証人も、契約者と同等な審査が必要なので、収入が基準に届かないときは、認められないことが多々あります。

これから申し込みをする場合は、一度、家賃と収入の基準を確認して、契約者と相談してから申し込みましょう。

収入の基準表(一般的に家賃の1/3が相場)

保証人の年収家賃上限の目安
200万円約5.6万円
250万円約6.9万円
350万円約9.7万円
500万円約13.9万円
700万円約19.5万円
1000万円約27.8万円
1500万円約37.5万円

1-4.住民票原本|求められる確率:20%

契約者は、必ず住民票が必要ですが、保証人が求められるケースは非常に稀です。

現住所に相違がないか確認するために、求められると思われますが、一度不動産会社に「なぜ住民票が必要なのか」確認してみましょう。

発行するときに注意すること

マイナンバーは必ず記載しないようにしてください。マイナンバーが記載されていると防犯上、受け付けてもらえないので注意しましょう。

本籍地の記載の有無は、不動産会社によって異なるので、事前に確認するようにしましょう。

1-5.年金振込通知書

保証人になる人が、年金受給者の方は、年金を受け取っている証拠として「年金振込通知書」が必要です。

年金受給者は必ず受け取っているハガキなので、事前に探しておきましょう。

年金振込通知書のイメージ

引用:日本年金機構

2.保証人の契約手続きに関する注意点

保証人が不動産会社の近隣に住まれていれば、契約者と一緒に契約に立ち会えば、すべての作業が完了します。

しかし、遠方の方だと、多くの場合は郵送での契約となり、保証人が案内に沿って手続きを進めます。

ただ、そのときの署名捺印に関する不備が非常に多く、再度、送り返されることもあるので、詳しく注意点を解説していきます。

2-1.郵送で届く契約関係の書類

一般的に、保証人宛に届く、署名捺印が必要な書類は以下の2点です。

  • 賃貸借契約書
  • 保証人承諾書

不動産会社によっては、契約者との契約より前の段階で、保証人の署名捺印の手続きを求めてくることもあります。

ただ、先に署名捺印することに抵抗がある人は、一度、不動産会社に相談してみましょう。

場合によっては、契約者との契約が完了したあとの対応でも許可をもらえる可能性があります。

賃貸借契約書

丁寧な不動産会社であれば、どこに名前を書いて印鑑を押すのかまで、付箋で案内してくれます。

しかし、雑な不動産会社だと、送り状や付箋もなしで送ってくることがあるので、以下の赤枠内に署名捺印するようにしましょう。

賃貸借契約書のイメージ

保証人承諾書

こちらは、契約書と同じ内容のことが多いですが、保証人になることを承諾する書面なので、同様に赤枠内に署名捺印しましょう。

保証人承諾書のイメージ

2-2.署名捺印するときの注意点

保証人が署名捺印するときに、注意する点は以下の3つです。

  • 修正箇所には二重線と修正印が必要
  • 印影がわかるように綺麗に捺印する
  • 割り印が必要か確認する

郵送契約のときに、よく起こるミスを解説するので、これから契約する方は注意しましょう。

修正箇所には二重線と修正印が必要

住所を間違えて書いてしまったときは、修正テープなどは使わずに、修正箇所に二重線を引いて、重ねるように印鑑を押しましょう。

修正のイメージ

印影がわかるように綺麗に捺印する

印鑑証明書と同じ印鑑か判断できるように、ハッキリと見えるように捺印します。

薄かったり濁ったりしていると、再度、郵送されてくることもあるので、気を付けましょう。

捺印の注意点を表したイメージ

割り印が必要か確認する

契約書の「貸主控え」と「借主控え」を上下に2枚重ねる方法か、契約書の裏面に、割り印が必要なケースもあります。

付箋などで案内がなければ、契約者か不動産会社に確認してみましょう。

割り印の捺印イメージ

2-3.契約書類のコピーを必ず保存しておく

契約者とオーナーには、契約書の控えを用意することが義務付けられていますが、保証人はとくに決まりがありません。

丁寧な不動産会社であれば、保証人用の控えも作ってくれますが、多くの場合が用意されないので、署名捺印した書類はすべてコピーを取りましょう。

そして、契約が終了するまでは、必ず保管するようにしてください。

2-4.郵送で返送するときの注意点

契約書類に署名捺印が完了したら、提出を求められている書類を同封して返送します。

このとき、返信用封筒が用意されていれば、利用してもいいですが、切手での返送の場合は貼り忘れに注意しましょう。

万が一、ポストに投函したのに、届いてないなんてことが起こると大変です。

印鑑証明の取り扱いには注意する

印鑑証明は、公的にも非常に重要な書類のひとつなので、できれば書留で発送することが望ましいでしょう。

その場合は自己負担となってしまいますが、配達までの記録がしっかり残り、より安全に届けられる一般書留をおすすめします。

3.印鑑証明書の悪用を防ぐ3つの方法

2章でも伝えましたが、印鑑証明は公的にも非常に重要な書類なので、以下の3つの方法で悪用を防ぎましょう。

  • 実印の押し方に注意する
  • 印鑑証明の有効性を明記する
  • 印鑑証明を新たに登録する

今回の印鑑を元に、新しい印鑑を作成され、印鑑証明と合わせて使われた場合、知らない契約を結ばされるなどのリスクもあります。

3-1.実印の押し方に注意する

契約書類に実印を押すときは、以下のように名前と重なるように押すことで、複製されるリスクが減ります。

実印の押し方イメージ

3-2.印鑑証明の有効性を明記する

印鑑証明に「○○マンションの賃貸契約にのみ有効」のように記載しておくと、他で使用することを防げますので、備考欄に手書きで書きましょう。

印鑑証明の例
印鑑証明書の記載例

3-3.印鑑証明を新たに登録する

賃貸契約を完了したあとに、役所で登録抹消して別の印鑑で新たに登録をすれば、提出した印鑑証明を悪用されても効力がなくなります。

この方法は法的にも問題はないので、心配な人はこの方法で悪用を防ぎましょう。

4.保証人が必要な理由と連帯保証人の違い

これから、保証人の申請をする方は、そもそもなぜ保証人が必要なのかと、連帯保証人との違いを把握しておきましょう。

一般的に、賃貸を借りるときは「連帯保証人」として契約することが多く、オーナーに負担や損害を与えたとき、責任をとる役割として連帯保証人を必要とされます。

4-1.保証人と連帯保証人の違い

結論から言いますと「連帯保証人の方が、法律的にも責任が非常に重い」ということです。

連帯」が付くだけで意味合いが大きく異なりますが、端的に表すと下記のような違いがあります。

連帯保証人・契約者が、問題を起こしたとき、責任が発生する
保証人・契約者が、問題を解決できないとき、責任が発生する

4-2.家賃を滞納したときのケース

連帯保証人は契約者と同等な立場として責任を求められるのに対して、保証人は契約者が自己破産したり行方不明にならない限り、責任は発生しません。

保証人の場合

家賃滞納時の催告イメージ

保証人の立場だと言い逃れができてしまいますが、以下のように、連帯保証人はすべてを連帯して責任とる必要があります。

連帯保証人の場合

連帯保証人に対する家賃滞納時の催告イメージ

仮に、契約者が家賃を払える能力があったとしても、連帯保証人は催促された時点で支払いの義務が発生します。

このことは法律で決められているので、言い逃れすることが一切できません。

契約者が自己破産しても、連帯保証人の責任は残る

契約者が自己破産手続きをして、支払いできなったときでも、連帯保証人の支払い責任は一生残り、契約者にかわって借金を返済する必要があります。

このようなことから、頼むとき・頼まれるとき、どちらも慎重に検討するようにしましょう。

そして、これから申請するときは、「保証人」と「連帯保証人」どちらで契約するのか、確認することを忘れないでください。

5.まとめ

保証人の書類について説明してきましたが、いかがでしたでしょうか?

不動産会社の規定により、必要な書類が異なりますが、下記の書類を用意しておけば、他には用意する必要はありません。

求められる確率コピー or 原本
印鑑証明書100%原本
身分証明書80%コピー
収入証明書50%コピー
住民票20%原本
年金振込通知書年金受給者の方コピー

そして、保証人と連帯保証人の違いを、きちんと把握したうえで、検討するようにしましょう。

あなたが保証人の書類で悩まずに、契約できることを陰ながら願っています。

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