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賃貸の仲介手数料の上限の真実|大半の人が騙されている理由と最安で契約する交渉術

「賃貸の仲介手数料は上限って決まってる?」「仲介手数料は0.55ヶ月分って聞いたことあるけど本当?」など、賃貸の仲介手数料の上限に関して、疑問に思っていませんか?

仲介手数料の上限は、貸主・借主の双方から合計で1.1ヶ月以内、つまり借主からは0.55ヶ月分と法律で決められていますが、借主に1.1ヶ月分を請求されるケースが多いです。

このページでは、大手不動産会社に5年勤務し、現在も賃貸部門で働く筆者が、以下の4つのことをご紹介します。

  1. 借主が仲介手数料1.1ヶ月分を請求される理由
  2. 仲介手数料以外の契約金を安くする交渉方法
  3. 仲介手数料で気をつけるポイント
  4. 仲介手数料に関するQ&A

すべて読めば、仲介手数料の上限や、契約金を安くする方法まで知ることができるので、損することなく、賃貸を契約することができるでしょう。

1. 借主が仲介手数料1.1ヶ月分を請求される理由

賃貸の仲介手数料は「貸主0.55ヶ月|借主0.55ヶ月」、双方から合計1.1ヶ月分を上限仲介会社は請求できると、「宅地建物取引業法」で決められています。

この章では、双方からと決められているにも関わらず、なぜ借主だけが1.1ヶ月分を請求されてしまうのか、詳しく解説していきます。

1-1. 規定どおりに請求してくる仲介会社はかなり稀

規定どおり、0.55ヶ月分だけを請求してくる仲介会社はかなり稀で、大手チェーンだと「エイブル」ぐらいです。

実際のところ、「仲介手数料は1.1ヶ月分」の認識はあるものの、貸主と合計1.1ヶ月分が上限ということを知ってる消費者は、ほとんどいないです。

この認知されていない部分をうまく利用して、仲介会社は借主だけに1.1ヶ月分を請求してくるのです。

1-2. 借主が承諾すれば1.1ヶ月分を請求できる

法律では借主が承諾すれば、1.1ヶ月分を上限に請求できると決めているのです。

そして、多くの場合が、借主が1.1ヶ月分支払うことを承諾していることになっています。

申し込み書に記されている

申し込み書には、申し込みに関する注意書きなどが小さく書いてあり、署名して申し込み書を提出した時点で、承諾したことになります。

入居申込書の例

このときに、「貸主0.55ヶ月|借主0.55ヶ月」の内容を知っていれば交渉できますが、多くの場合「仲介手数料は1.1ヶ月」の認識なので、特に気にせず署名してしまいます。

他にも、申し込む前や契約を結ぶ前に署名する「重要事項説明書」に、同様な文面が入っていることが比較的多いです。

1-3. 仲介手数料1.1ヶ月分の支払いを拒否することはできる?

法律を利用して、「私は仲介手数料1.1ヶ月分の支払いを承諾しないので、0.55ヶ月分にしてください」と相談することは可能です。

しかし、多くの場合が「それならこちらの物件は諦めて、他を探してください」となる可能性が高いです。

なぜなら、営業マンは1.1ヶ月払ってくれる人を相手にした方が効率いいと考えるからです。

高額な物件であれば可能性はある

仮に家賃が20万円の物件であれば、0.55ヶ月分になっても11万円の売り上げになるので、対応してくれる可能性があります。

賃貸物件の仲介は、家賃が5万円でも100万円でも、問い合わせを受けてから、契約に至るまでの過程や時間はほぼ一緒なので、高額な物件の方が効率よく売り上げを確保できるのです。

1-4. 別の方法で仲介手数料を安くして契約する

私の経験上、法律を使って安くしてくださいと交渉しても、成功する確率は限りなく低いため、2社〜3社に見積もりをとって、最安の金額を営業マンに伝える方法で交渉しましょう。

この場合、「SUUMO」や「HOME’S」で希望物件を取り扱っている仲介会社を探して「初期費用をメールで送ってください」と伝えます。

そして、仲介手数料の金額を確認して「C社は仲介手数料無料で契約できると言ってるのですが、御社はどうですか?」と確認してみましょう。

他社の見積もりをとる時間がないとき

内覧したあとすぐに、仲介会社で申し込み書を提出するときは、物件名をネットで検索して「●●マンション|仲介手数料無料」と出てきたら、その情報をそのまま伝えて交渉しましょう。

ただ、それでも安くできないと言われたら、無駄な費用がかかるだけなので、その仲介会社ではなく、無料で募集している仲介会社に電話し「物件名・号室」を伝えて、今すぐ申し込みたいと伝えましょう。

仲介会社によって手数料は大きく異なる

最近では、仲介手数料の安さをウリにしている会社も多いので、必ず他社の情報を調べるようにしましょう。

そして、仲介手数料以外にも安くできる項目はたくさんあるので、交渉方法を2章で解説します。

2. 仲介手数料以外の契約金を安くする交渉方法

賃貸物件の初期費用は、下記の2つの支払い先があり、不動産会社に支払う金額は割引をしてもらいやすいです。

賃貸の契約の仕組み

仲介してくれた不動産会社払う相手物件の所有者である貸主
仲介手数料やオプションサービス代払うもの礼金や家賃などの物件費用
◎交渉しやすい交渉難易度△交渉しにくい

ただ、まず、賃貸にそもそもどんな費用が必要か?どの費用の割引を狙えばいいかを紹介していきます。

2-1. 賃貸にかかる初期費用の一覧

新たに部屋を借りる際は、下記の項目の費用が必要と考えておきましょう。

費用費用の内容目安
敷金(保証金)家賃が払えない時、室内を破損させた時のために預けるお金家賃の1~2ヶ月
礼金貸主に部屋を貸してもらうお礼として支払うお金家賃の1~2ヶ月
前家賃口座振替などの準備ができるまで、翌月分の家賃を支払っておくことが一般的家賃の1ヶ月
日割り賃料月の途中からの入居の場合は日数に応じて家賃を支払う家賃×住む日数/月の日数
仲介手数料家を探した不動産会社に支払うお金家賃の0.55~1.1ヶ月(税込)
火災保険料火事に備えて保険への加入が必須16,500円
鍵交換費用前の入居者が合鍵で入れないように鍵を変えるのが一般的22,000円
保証委託料家賃が支払えない時に建て替えてくれる「家賃保証会社」に支払うお金家賃の30~60%
オプション費用消臭や除菌などのオプション10,000~30,000円

トータルすると家賃の4~6ヶ月分になることが多いです。

で示した費用が「不動産会社」に支払うお金で、より割引を狙いやすいです。まずは、不動産会社を安く使うためのコツを紹介します。

2-2. 仲介してくれる不動産会社を安く使うポイント

大手の「アパマンショップ」から、地元の不動産屋さんまで、不動産仲介をしている会社は複数あり、同じ物件でも使う不動産会社によって金額に差が出ることがあります。

そこで、仲介手数料の交渉以外に、下記を実践することで、仲介してくれる不動産会社を安く使うことができます。

  • オプションはつけない

仲介会社は、物件を紹介すればするだけ儲かるので、「より条件のいい人を..」と考える貸主とは違い、時期に限らず安くしてもらいやすいです。

オプションはつけない

エイブルやアパマンショップなどの大手の不動産会社は下記のようなオプションを付けようとしてきますが、付けられていたら、外してもらえるようにお願いしましょう。

  • 消臭・消毒(相場1~2万円/1回)
  • 入居サポート(相場1~2万円/2年)

消臭・消毒は室内に消臭スプレーを吹きかけるだけのことが多いです。

入居サポートは、水道トラブルなどの時に、業者を手配してくれるものですが、今の時代、トラブル時の業者はネットで簡単に探せます。

以上のように、価格に見合っていないサービスの可能性が高いです。

オプションが付いている場合は「〇〇のオプションは不要なので外していただけませんか」と確認しましょう。

ただし、不動産会社ではなく、貸主がオプションを必須にしているケースもあり、外すことが不可能な物件もあります。

1度確認し、外してもらえないようなら、諦めてオプション代を払うか、物件を変えることになります。

2-3. 貸主との交渉のポイント

貸主は、個人の人から、たくさんの物件を保有している企業まで、幅広いです。

物件ごとに価格が決まっているため、安くなる可能性は低いですが、人気のない物件は「借りてくれる人を欲しがっている」状態で、交渉すれば安くしてくれることもあります。

基本的に、貸主への交渉は物件を仲介してくれる不動産会社が行いますが、不動産会社への伝え方次第で安くできるかが異なります。

「交渉のしやすさ」「どのくらい安くなるか」を踏まえ、おすすめ順に下げられる項目を紹介します。

交渉のしやすさ金額面のインパクト
①礼金をカットしてもらう★★★★☆★★★★★
②フリーレント をつけてもらう★★★☆☆★★★★☆
③鍵交換費用を負担してもらう★★★★☆★★☆☆☆
④家賃を下げてもらう★☆☆☆☆★★★☆☆

不動産会社を通したとしても、何回も交渉をすると貸主へ与える印象はよくないため、2項目以上の交渉は避けましょう。

また、多くの人が引越す、3~4月は「黙っていても申し込みがある」時期ですから、割引交渉をしようとすると、入居を断られる可能性もありますので、交渉は避けましょう。

①礼金をカットしてもらう

礼金は、「お礼」という意味のお金で、貸主からしてもサービスしやすく、人気のない部屋の場合はカットしてもらいやすいです。

「家賃1~2ヶ月」を浮かせられ、インパクトも大きいため、礼金が入っている物件の場合、最優先で交渉しましょう。

ただ、無条件での交渉は難しいので、下記のように1~2年住むことを条件に礼金をカットしてもらいましょう。

「短期違約金」を条件に入れて、1年以内の解約は賃料1ヶ月分を違約金として支払うので、礼金を0にしてもらうことはできそうでしょうか。

②フリーレント をつけてもらう

礼金がない物件の場合、フリーレント をつけてもらえるよう交渉しましょう。

フリーレントとは、決められた日数分の家賃が無料になることで、取得できる平均値は0.5ヶ月〜1ヶ月です。

インパクトも大きく、毎月の家賃よりは交渉しやすいため、つけてくれるように頼みましょう。

実際に交渉するときは、「短期違約金」を申し出るか、下記のように「すぐに入居する」ことを条件に交渉してみましょう。

審査承認後、すぐに契約と契約金の支払いを済ませることを条件に、フリーレント1ヶ月を付けてもらうことはできますでしょうか?

③鍵交換費用を負担してもらう

鍵交換の費用が請求書に入っている場合、「貸主負担で交換して欲しい」と交渉しましょう。

なぜなら、鍵交換費用は「貸主が支払うことが妥当」と国が定めており、原則は貸主の管理業務のひとつと言えるからです。

国交省ガイドライン」には下記の通り記載されています。

鍵の取替え(破損、鍵紛失のない場合)
入居者の入れ替わりによる物件管理上の問題であり、賃貸人(貸主)の負担とすることが妥当と考えられる。

上記のことから、貸主に費用を負担してもらうために、不動産会社の担当者へ下記のように伝えてみましょう。

賃貸のガイドラインを確認したところ、鍵交換費用は貸主が負担することが妥当となっていたので、貸主に負担して頂きたいです。

(礼金を払う場合はさらに)今回は礼金も支払うので、礼金の一部から費用を負担して頂きたいです。

「鍵交換の費用を渋って契約が無しになるぐらいなら、貸主が負担する」となり、負担してもらえることがあります。

④家賃を下げてもらうのは最終手段

家賃は難易度が高いため、礼金やフリーレントが断られた場合、ダメ元で交渉しましょう。

難易度が高い理由は、以下の2つです。

  • 貸主にとって長期的な収入が減る
  • 家賃収入=物件の価値と考えることが多く、家賃を下げると物件の価値が落ちる

家賃を下げるくらいなら、フリーレントをつける、という貸主も多く、家賃を下げてくれる可能性は低いため、最後の交渉材料にしましょう。

下記の交渉材料が効果があります。重要なのは「あなたを逃して別の人を探すくらいなら、あなたで決めてしまおう」と思わせることです。

  • 会社の決まりで、家賃が◯◯万円を切れば週末にでも契約することができます。
  • 別の物件と迷ってるが、こっちがあと◯◯円安くなるならこっちに決めたいです。

2-4.初期費用を下げるその他のテクニック

上記以外に、「火災保険」を自分で選ぶことで、時期にかかわらず、数千円の節約ができることがあります。

賃貸物件の火災保険は加入が必須ですが、貸主が指定する保険会社に加入する義務はありません。

そのため、「自分で探して契約したいので、必要な補償内容(補償金額)を教えてください」と、不動産会社に相談してみましょう。

教えてもらった補償内容を火災保険の会社に伝えればすぐに見合うプランを出してくれるので、貸主の指定する火災保険と比較して安ければそちらにしましょう。

保険料は見積もり次第になりますが、火災保険会社10社の料金を比較した結果、「日新火災(https://direct.nisshinfire.co.jp/)」が最安になる可能性が高いです。

ネット上に家族構成を入力すると料金が出るため、提案された火災保険の料金と比較しましょう。

契約完了したら保険証券が発行されるので、不動産会社の指示に従い、提出しましょう。

3. 仲介手数料で気をつけるポイント

まず、仲介手数料は仲介会社へのサービスの対価として支払うので、必ず消費税がかかります。

他にも、仲介手数料に関するトラブルを防ぐために、事前に知っておいた方がいい気をつけるポイントを細かく解説していきます。

3-1. 支払うタイミングに要注意

仲介手数料は、契約が成立したときに仲介会社が受け取ることのできるお金なので、必ず契約のあとに支払いましょう。

つまり、契約をしていない時点では一切払う必要はないので、万が一請求されたとしても拒否することができます。

ただ、すでに支払ってしまったという人でも、契約前であれば仲介手数料ではなく「預かり金」となるので、キャンセルすれば必ず返金されます。

必ず法人の口座に振り込む

仲介会社の営業マンの中には、仲介手数料を現金で支払わせて着服したり、個人口座に振り込むように仕向けることがありますが、どちらも違法なので注意しましょう。

必ず、仲介会社の代表口座に振り込むようにして、振り込み明細を保管しておきましょう。

3-2. 仲介手数料と保証料は異なる

保証料は、あなたが家賃を払えなくなった時に保証してくれるよう、支払う保険金の意味のお金なので別物です。

よくあるケースで、「仲介会社に1ヶ月・管理会社に0.5ヶ月を請求されている」と相談を受けますが、多くの場合、管理会社に支払うのは仲介手数料ではなく保証料です。

保証会社の保証料は、管理会社に支払うことが一般的なので、違法な請求ではありません。万が一、管理会社からも仲介手数料を請求されることがあったら違法となります。

3-3. 仲介手数料とは異なる事務手数料

仲介手数料とは別に求められることがあるのが「事務手数料」で、相場は5000円〜家賃0.25ヶ月分ぐらいです。

事務手数料は本来、仲介手数料に含まれているはずのお金ですが、仲介会社によっては別で請求してきます。

多くの場合が契約直前にもらう請求書を見てはじめて知るので、事前に仲介会社に確認して、請求されるときは交渉するか不動産会社を変える検討をしましょう。

3-4. 駐車場を借りるときは上限を超えることがある

戸建て物件や、1部屋に1台の駐車場が確保されているアパートの契約であれば、規定通り仲介手数料は1ヶ月分になります。

一方で、マンションに設備として完備している駐車場を一緒に借りるとき、契約書が2枚に別れていると、下記のように別途駐車場分の仲介手数料を請求されることがあります。

仲介手数料の請求割合を表したイメージ

駐車場を単体で借りるときは規定がない

車1台ごとの月極駐車場の賃貸の契約に関しては、法律が適用外となるので、1ヶ月分以上請求されることもあります。

この場合は、請求された会社と折り合いをつけるしか解決策はないので、少しでも安くできないか相談してみましょう。

4. 仲介手数料に関するQ&A

仲介手数料のことを詳しく説明してきましたが、より細かい内容を知りたい方に向けて説明します。

今までに質問されたことがある事柄をQ&A形式でお伝えします。

Q1. 仲介手数料に管理費は含まれる?

どの物件でも管理費や共益費は含まれません。

基本的に「家賃×消費税」の金額が仲介手数料となります。

Q2. 更新するときも仲介手数料はかかる?

更新のとき仲介手数料はかかりません。

ただし、不動産会社によっては「更新事務手数料」を請求されることがあり、相場は5000円〜家賃0.25ヶ月分ぐらいです。

また、更新時には更新料1ヶ月分が必要になるケースが多いです。

Q3. 仲介手数料を分割で払うことはできる?

基本的に一括払いとなります。

クレジットカード払いが対応していれば、分割払いも可能です。

ただし、決済手数料や分割手数料がかかるので、金額を確認したうえで検討しましょう。

Q4. 仲介手数料無料の物件ってなにかデメリットはある?

物件により異なりますが、余計なオプションサービスへ加入させられるケースもあるので、注意しましょう。

2章で解説した、仲介手数料以外の契約金を安くする交渉方法を、改めて確認して、不要な部分は削りましょう。

Q5. 2部屋借りるときの仲介手数料は?

部屋ごとに契約書が異なるので、2部屋分の仲介手数料を請求されますが、同じ仲介会社で契約するのであれば、交渉して安くしてもらいましょう。

仲介手数料を減額するのは仲介会社の自由なので、値下げしてくれる可能性は高いでしょう。

5. まとめ

仲介手数料の上限について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

仲介手数料は、「貸主0.55ヶ月|借主0.55ヶ月」の1.1ヶ月分が上限となっているので、それ以上に請求されたら違法と判断してください。

そして、申し込むときには図面の負担割合と、申し込み書の注意書きを必ず確認してから申し込みましょう。

また、申し込み書を提出するタイミングで家賃や礼金などの交渉をして、初期費用をできる限り安くしてください。

あなたが仲介手数料の上限で悩むことなく、無事に契約できることを陰ながら願っています。