賃貸の仲介手数料の上限の真実|大半の人が騙されている理由と最安で契約する交渉術

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仲介手数料の上限を表したイメージ

「賃貸の仲介手数料は上限って決まってる?」「仲介手数料は0.5ヶ月分って聞いたことあるけど本当?」など、賃貸の仲介手数料の上限に関して、疑問に思っていませんか?

仲介手数料の上限は、貸主・借主の双方から合計で1ヶ月以内、つまり借主は0.5ヶ月分と法律で決められていますが、借主に1ヶ月分を請求されるケースが多いです。

このページでは、大手不動産会社に5年勤務し、現在も賃貸部門で働く筆者が、以下の4つのことをご紹介します。

  1. 借主が仲介手数料1ヶ月分を請求される理由
  2. 仲介手数料以外の契約金を安くする交渉方法
  3. 仲介手数料で気をつけるポイント
  4. 仲介手数料に関するQ&A

すべて読めば、仲介手数料の上限や、契約金を安くする方法まで知ることができるので、損することなく、賃貸を契約することができるでしょう。

1.借主が仲介手数料1ヶ月分を請求される理由

賃貸の仲介手数料は、「貸主0.5ヶ月|借主0.5ヶ月」、双方から合計1ヶ月分を上限仲介会社は請求できると、「宅地建物取引業法」で決められています。

この章では、双方からと決められているにも関わらず、なぜ借主だけが1ヶ月分を請求されてしまうのか、詳しく解説していきます。

1-1.規定どおりに請求してくる仲介会社はかなり稀

規定どおり、0.5ヶ月分だけを請求してくる仲介会社はかなり稀で、大手チェーンだと「エイブル」ぐらいです。

実際のところ、「仲介手数料は1ヶ月分」の認識はあるものの、貸主と合計1ヶ月分が上限ということを知ってる消費者は、ほとんどいないためです。

この認知されていない部分をうまく利用して、仲介会社は借主だけに1ヶ月分を請求してくるのです。

1-2.どちらかが承諾すれば1ヶ月分を請求できる

法律では、貸主か借主のどちらかが承諾すれば、1ヶ月分請求できると決めているのです。

このとき、ほぼ100%に近い確率で、借主が1ヶ月分支払うことを承諾していることになっています。

募集図面に掲載している

募集図面の右下部分には、必ず以下の表か、同じ内容の文面を掲載しなければいけないと、法律で決まっています。

手数料の負担割合
手数料の負担割合

上記が表すことは「手数料は借主が100%負担して、仲介会社(客付)が100%受け取る」ということです。

つまり、この表が掲載されている募集図面を見て、問い合わせている=承諾した、ということになってしまうのです。

申し込み書にも記されている

申し込み書には、申し込みに関する注意書きなどが小さく書いてあり、署名して申し込み書を提出した時点で、承諾したことになります。

入居申し込み書の例
入居申込書の例

このときに、「貸主0.5ヶ月|借主0.5ヶ月」の内容を知っていれば、交渉できますが、多くの場合「仲介手数料は1ヶ月」の認識なので、とくに気にせず署名してしまいます。

1-3.仲介手数料1ヶ月分の支払いを拒否することはできる?

法律を利用して、「私は仲介手数料1ヶ月分の支払いを承諾しないので、0.5ヶ月分にしてください」と相談することは可能です。

しかし、多くの場合が、「それならこちらの物件は諦めて、他を探してください」となってしまいます。

なぜなら、先ほどの手数料割合の表で「貸主0%」になっていると、貸主からは仲介手数料が入ってこないので、単純に仲介会社の売り上げが下がるからです。

そうなると、営業マンは別の案件で売り上げを稼いだ方が効率いいので、相手にしてくれなくなります。

高額な物件であれば可能性はある

仮に、家賃が20万円の物件であれば、0.5ヶ月分になっても10万円の売り上げになるので、対応してくれる可能性があります。

賃貸物件の仲介は、家賃が5万円でも100万円でも、問い合わせを受けてから、契約に至るまでの過程や時間はほぼ一緒なので、高額な物件の方が、効率よく売り上げを確保できるのです。

1-4.別の方法で仲介手数料を安くして契約する

私の経験上、法律を使って安くしてくださいと交渉しても、成功する確率は限りなく低いため、2社〜3社に見積もりをとって、最安の金額を営業マンに伝える方法で交渉しましょう。

この場合、「suumo」や「HOME’S」で希望物件を取り扱っている仲介会社を探して「初期費用をメールで送ってください」と伝えます。

そして、仲介手数料の金額を確認して「C社は仲介手数料無料で契約できると言ってるのですが、御社はどうですか?」と確認してみましょう。

他社の見積もりをとる時間がないとき

内覧したあとすぐに、仲介会社で申し込み書を提出するときは、物件名をネットで検索して「●●マンション|仲介手数料無料」と出てきたら、その情報をそのまま伝えて交渉しましょう。

ただ、それでも安くできないと言われたら、無駄な費用がかかるだけなので、その仲介会社ではなく、無料で募集している仲介会社に電話し「物件名・号室」を伝えて、今すぐ申し込みたいと伝えましょう。

仲介会社によって手数料は大きく異なる

最近では、仲介手数料の安さをウリにしている会社も多いので、必ず他社の情報を調べるようにしましょう。

そして、仲介手数料以外にも、安くできる項目はたくさんあるので、交渉方法を2章で解説します。

2.仲介手数料以外の契約金を安くする交渉方法

契約金を少しでも安くするために、以下5つの交渉方法を、事前に確認しておきましょう。

「★」が少ない方が、誰でも交渉しやすい項目で、★が多い項目ほど成功すると数万円以上お得になるので、交渉できそうな項目から挑戦してみましょう。

  1. 家賃「難易度★★★」
  2. 礼金「難易度★★★」
  3. フリーレント「難易度★★☆」
  4. 火災保険料「難易度★☆☆」
  5. 鍵交換費用「難易度★☆☆」

私の経験上、交渉がうまくいった人は、トータルで家賃1ヶ月分以上安くすることに成功しているので、積極的に交渉した方がいいです。

ただし、マナーとして申し込みをするタイミングで、仲介会社に交渉するようにしましょう。審査後に安くしてくれと言うとオーナー側の印象も良くなく、入居を断られることもあります。

2-1.家賃を交渉する「難易度★★★」

貸主には「今すぐにでも契約する意思がある」と伝えることがなによりも大切で、私の経験上、下記のワードが有効的に使えます。

家賃交渉で使えるワード

  • 会社の決まりで、家賃が●●万円を切れば週末にでも契約することができる。
  • 別の物件と迷ってるが、こっちがあと●●円安くなるならこっちに決めたい。
  • 今週中に決める必要があって、契約金もすぐに支払える。

太文字で表したワードを使うことで、貸主は「いつ来るかわからない他の入居希望者を待つより、この人で決めた方がいいか」と思う確率が高くなります。

入居者が決まれば、貸主には毎月の家賃収入が入りますが、値引きを断ったことで、仮にそこから2ヶ月間部屋が埋まらないと、相当な痛手になるのです。

交渉する金額の目安

私の経験上、家賃に対してあまりにも大きい金額を交渉することは危険です。

なぜなら、貸主から常識がないと判断され、入居を断られてしまう恐れがあるからです。そのため、下記の金額を目安に交渉してみましょう。

物件の家賃:交渉金額

  • 30,000円〜70,000円:1,000円~3,000円
  • 70,000円〜100,000円:2,000円〜5,000円
  • 100,000円〜150,000円:3,000円〜7,000円
  • 150,000円〜200,000円:4,000円〜10,000円

2-2.礼金を交渉する「難易度★★★」

礼金の場合は、貸主にも見返りがあるような交渉が望ましいので、以下のように交渉してみましょう。

短期違約金を条件に入れて、1年以内の解約は賃料1ヶ月分を違約金として支払うので、礼金を0にしてください

この条件で交渉すれば、ただ単に礼金を0にしてと言っているわけではないので、悪い気はされないでしょう。

期間は長い方が確率は上がる

少なくとも2年以上住むことが決まっている方であれば、1年以内ではなく2年以内に期間を延ばすことで、より交渉が成功する確率が高くなります。

そして、貸主も「この人は長く住んでくれそう」と思われることもあるので、お互いに良い関係が築けるかもしれません。

他社の情報も確認してみる

礼金は、仲介会社が自由に決められることもあるので「suumo」や「HOME’S」で希望の物件情報を確かめてみましょう。

A社では礼金1ヶ月、B社では礼金0なんてこともよくあります。

もし他社で礼金が0のときは、仲介会社に「他社が礼金0で募集してるので、御社も同じ条件にしてください」と伝えてみましょう。

2-3.フリーレントを交渉する「難易度★★☆」

フリーレントとは、決められた日数分の家賃が無料になることで、取得できる平均値は0.5ヶ月〜1ヶ月です。

そして、交渉が成功しやすいのは、引越しシーズン以外の3月下旬〜12月の毎月下旬です。

なぜなら、3月〜12月は閑散期にあたり、引越しする人が少なく契約が取れていないので、営業マンはその期間中に1件でも多く成約したいと焦っているからです。

そんなときには下記のように交渉してみましょう。

有効な交渉方法

  • 今月中に契約と契約金の支払いを済ませることを条件に、来月分をフリーレントにしてくれるなら、すぐに申し込んで契約しますが、どうでしょうか?

月初めの交渉はNG

賃貸物件の場合、申し込み〜入居開始までは、一般的に3週間前後なので、月初めに交渉しても効果は薄いです。

そうなると、交渉も受け付けてもらえないどころか、入居を急かされて当月中の日割り賃料も払うことになるので、月初めの交渉は絶対にやめましょう。

2-4.火災保険料を交渉する「難易度★☆☆」

賃貸物件の火災保険は加入が必須ですが、貸主が指定する保険会社に加入する義務はありません。

なので「自分で探して契約したいから、最低限の保証プランを教えてください」と、仲介会社に伝えましょう。

そして、教えてもらったプランを火災保険の会社に伝えれば、すぐに見合うプランを出してくれるので、あとは申し込みするだけです。

相場より安い火災保険会社

全労済」か「楽天損保」の火災保険が、相場より半額近く安いので、仲介会社にここの会社で加入を希望すると伝えましょう。

契約完了したら、保険証券が発行されるので、できる限り入居開始前までに提出することが望ましいです。

2-5.鍵交換費用を交渉する「難易度★☆☆」

鍵交換費用は、貸主が支払うことが妥当と国が定めてるので、原則は貸主の管理業務のひとつです。

国交省ガイドラインには下記の通り記載されています。※21ページ記載

鍵の取替え(破損、鍵紛失のない場合) (考え方)入居者の入れ替わりによる物件管理上の問題であり、賃貸人の負担とすることが妥当と考えられる。

上記のことから、貸主に交渉してもらうように、仲介会社の担当者へ依頼しましょう。

私の経験上だと「鍵交換費用で契約がなしになるぐらいなら、貸主が負担する」となったケースが比較的多いです。

2-6.入居安心サポート・除菌消臭費用は削除してもらう「難易度☆☆☆」

基本的に任意となり、万が一のときは民間のサービス会社でも対応できる内容なので、必要ないと伝えましょう。

また、各社商品名を変えて、2年間で15,000〜20,000円前後の金額を、説明もしないで請求書に盛り込むことがあります。

そのときは、「必要ないので請求書から削除お願いします」と伝えましょう。

大手不動産会社の商品名一覧

アパマンショップエイブルミニミニ ピタットハウス 
商品名安心入居サポートコンシェルジュ24入居安心サービスピタットハウスの安心サポート

3.仲介手数料で気をつけるポイント

まず、仲介手数料は、仲介会社へのサービスの対価として支払うので、必ず消費税がかかります。

他にも、仲介手数料に関するトラブルを防ぐために、事前に知っておいた方がいい、気をつけるポイントを細かく解説していきます。

3-1.支払うタイミングに要注意

仲介手数料は、契約が成立したときに、仲介会社が受け取ることのできるお金なので、必ず契約のあとに支払いましょう。

つまり、契約をしていない時点では一切払う必要はないので、万が一請求されたとしても、拒否することができます。

ただ、すでに支払ってしまったという人でも、契約前であれば仲介手数料ではなく「預かり金」となるので、キャンセルすれば必ず返金されます。

必ず法人の口座に振り込む

仲介会社の営業マンの中には、仲介手数料を現金で支払わせて着服したり、個人口座に振り込むように仕向けることがありますが、どちらも違法なので注意しましょう。

必ず、仲介会社の代表口座に振り込むようにして、振り込み明細を保管しておきましょう。

3-2.仲介手数料と保証料は異なる

保証料は、保証会社に支払うお金なのでまったくの別物です。

よくあるケースで、「仲介会社に1ヶ月・管理会社に0.5ヶ月」を請求されていると相談を受けますが、多くの場合、管理会社ではなく保証会社の間違いです。

万が一、管理会社から請求されていたら、もちろん違法になるので、すぐに仲介会社に確認するようにしましょう。

3-3.仲介手数料とは異なる事務手数料

仲介手数料とは別に、求められることがあるのが「事務手数料」で、相場は5000円〜家賃0.25ヶ月分ぐらいです。

事務手数料は本来、仲介手数料に含まれているはずのお金ですが、仲介会社によっては別で請求してきます。

多くの場合が、契約直前にもらう請求書を見てはじめて知るので、事前に仲介会社に確認して、請求されるときは、交渉するか不動産会社を変える検討をしましょう。

3-4.駐車場を借りるときは上限を超えることがある

戸建て物件や、1部屋に1台の駐車場が確保されているアパートの契約であれば、規定通り仲介手数料は1ヶ月分になります。

対して、マンションに設備として完備している駐車場を、一緒に借りるとき、契約書が2枚に別れていると、下記のように別途駐車場分の仲介手数料を請求されることがあります。

仲介手数料の請求割合を表したイメージ

駐車場を単体で借りるときは規定がない

車1台ごとの月極駐車場の賃貸の契約に関しては、法律が適用外となるので、1ヶ月分以上請求されることもあります。

この場合は、請求された会社と折り合いをつけるしか解決策はないので、少しでも安くできないか相談してみましょう。

4.仲介手数料に関するQ&A

仲介手数料のことを詳しく説明してきましたが、より細かい内容を知りたい方に向けて説明します。

今までに質問されたことがある事柄をQ&A形式でお伝えします。

Q1.仲介手数料に管理費は含まれる?

どの物件でも、管理費や共益費は含まれません。

基本的に「家賃×消費税」の金額が仲介手数料となります。

Q2.更新するときも仲介手数料はかかる?

更新のとき、仲介手数料はかかりません。

ただし、不動産会社によっては、「更新事務手数料」を請求されることがあり、相場は5000円〜家賃0.25ヶ月分ぐらいです。

また、更新時には、更新料1ヶ月分が必要になるケースが多いです。

Q3.仲介手数料を分割で払うことはできる?

基本的に、一括払いとなります。

クレジットカード払いが対応していれば、分割払いも可能です。

ただし、決済手数料や分割手数料がかかるので、金額を確認したうえで検討しましょう。

Q4.仲介手数料無料の物件ってなにかデメリットはある?

物件により異なりますが、余計なオプションサービスへ加入させられるケースもあるので、注意しましょう。

2章で解説した、仲介手数料以外の契約金を安くする交渉方法を、改めて確認して、不要な部分は削りましょう。

Q5.2部屋借りるときの仲介手数料は?

部屋ごとに契約書が異なるので、2部屋分の仲介手数料を請求されますが、同じ仲介会社で契約するのであれば、交渉して安くしてもらいましょう。

仲介手数料を減額するのは、仲介会社の自由なので、値下げしてくれる可能性は高いでしょう。

5.まとめ

仲介手数料の上限について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

仲介手数料は「貸主0.5ヶ月|借主0.5ヶ月」の1ヶ月分が上限となっているので、それ以上に請求されたら違法と判断してください。

そして、申し込むときには、図面の負担割合と、申し込み書の注意書きを必ず確認してから申し込みましょう。

また、申し込み書を提出するタイミングで、家賃や礼金などの交渉をして、初期費用をできる限り安くしてください。

あなたが仲介手数料の上限で悩むことなく、無事に契約できることを陰ながら願っています。

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