遺言書とは?遺言書を残さないで後悔しないための全知識

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遺言書とは

「遺言書はどんなもの?」「遺言書は書いた方が良い?」と、遺言書について気になっていませんか?

遺言書は書いておかないと、残された家族が揉める場合があるので、自分が書くべきか、元気なうちに確認しておくことをおすすめします。

このページは、終活支援に500件以上携わってきた私が、遺言書とは何か、それに書くべきケースや書き方についてまとめたものです。

  1. そもそも遺言書とは
  2. 遺言書は書くべき?
  3. 3種類の遺言書と選び方
  4. 遺言書を自分で作る際の3STEP
  5. 遺言書に関するQ&A

このページを読めば、遺言書にどうやって向き合うか分かるので、ぜひご覧ください。

1. そもそも遺言書とは

遺言書とは、自分の死後に、どのように財産を分配してほしいかなどを記した法的な書類のことです。

遺書を遺言書と混同している方が多いですが、遺書には法的な効力が無いのに対し、遺言書の効果は民法で規定されており、法的な効果があります。

「自分の財産処理を希望通りにキッチリやってほしい」と思うなら、遺言書を残すべきです。

1-1. 遺言書でできること

遺言書でできるのは、法律で規定された次の事項(法定遺言事項)に限られます。

財産に関する事項・相続人の指定や排除
・遺贈や寄付
身分に関する事項・子の認知
・未成年後見人の指定
その他・遺言執行者の指定

遺言書では「財産を誰に分配するのか」「隠し子の認知や子どもの後見人の指定」「遺言書を誰に執行してもらうか」を決められます。

感謝や経緯を伝える「付言事項」

遺言書には、付け足し(付言事項)として次のようなことを伝えることができます。

  • 家族への謝意
  • 遺言書の意図
  • 臓器提供や葬儀の指示

遺言書の内容に満足できず、家族間トラブルが起きてしまいそうな場合、遺言書の意図を相続者に伝えることができます。

付言事項には、法的な効力がありませんが、残された家族に自分の考えや希望を言い残し、理解を促せるわけです。

1-2. 遺言書のメリット・デメリット

遺言書の長所・短所をまとめたのが下の表です。

メリット・自分の希望通りに財産を分割できる
・相続トラブルの発生を防ぐ
・相続がスムーズになる
・親族以外にも財産を譲ることができる
デメリット・書き間違えると無効になる場合がある

一番のメリットは、相続が円滑に行われるところです。

法的な効果があるので、法律のルールに則って書かなければ無効になるリスクがあるので注意が必要になります。

1-3. 遺言書を書かない場合はどうなるの?

民法では親族が法定相続人として規定されているので、それをもとに分割することになります。

下の図が法定相続人の範囲をまとめたものです。

法定相続人

配偶者は常に相続人になっていて、残りは次の順番で選ばれます。(第1位がいない場合は第2位、第2位がいない場合は第3位へと続きます。)

順位該当者ポイント
第1位子(直系卑属)・配偶者1/2、子1/2で分割
・子が死亡すると孫へ
第2位親(直系尊属)・配偶者2/3、親1/3で分割
・父母がいないと祖父母へ
第3位兄弟姉妹・配偶者3/4、兄弟1/4で分割
・兄弟姉妹がいないと甥姪へ

相続人が複数いる場合は、相続人の間で遺産分割協議をすることになります。

「自宅は住んでいるお母さん(配偶者)が相続する代わりに、現金資産は子どもが相続させる」というように、家族が納得行くように相談して決定します。

遺産分割協議でまとまらない場合はどうなる?

遺産分割協議で揉めてまとまらない場合は、家庭裁判所に申し立て、遺産分割調停を行うことになります。

専門家や有識者が間に立ち、相続人が合意できるようにリードしていきます。

遺言書を書かないと親族の仲を悪くしてしまう場合があるので注意が必要です。

2. 遺言書は書くべき人はどんな人?

「遺言書を書きたい」と思うなら誰でも書くべきです。

しかし、次の条件に当てはまる方は、トラブルが想定されるので、書くことをおすすめします。

No項目
1相続トラブルが起きそうな場合
2相続人が多い場合
3相続人がいない場合
4相続させたくない相続人がいる場合
5再婚している場合
6息子の妻に財産を譲りたい場合
7事実婚など親族以外に譲りたい場合
8事業を継続させたい場合
9財産が不動産の場合
10財産を公共団体に寄付したい場合

これは一例です。

もし、他に不安なことがある場合は、弁護士さんに一度相談することをおすすめします。

遺言を書くべき人① 相続トラブルが起きそうな場合

一番書くべきなのは、遺産相続で親族が揉めそうな場合です。

相続では仲の良い兄弟間でもトラブルになることがありますが、相続人同士が不仲であったらなおさらです。

また、介護してくれた子と、介護を一切手伝わない子を同額にしても、不仲になる原因になるかもしれませんから、家族が納得できるような配分にするべきです。

遺言を書くべき人② 相続人が多い場合

相続人が多い場合は、遺産分割協議で揉めるケースが多いです。

預貯金しか財産が無いならぴったり分割することができますが、不動産や貴金属など分割が難しい財産があると、ケンカの火種になってしまいます。

自分の死で、子どもが仲違いしないように遺言書を書きましょう。

遺言を書くべき人③ 相続人がいない場合

相続人がいない場合、家庭裁判所から相続財産管理人が選任され、相続人を探します。

管理人が相続人を捜索しますが、一定期間経っても見つからなければ、相続人のいない財産は最終的に国庫に帰属することになります。

だれにも継がせる人がいないなら、寄付するのがおすすめです。

遺言を書くべき人④ 相続させたくない相続人がいる場合

身内に財産相続させたくない人がいるなら、家庭裁判所に申請するか、遺言書で相続を排除させる必要があります。

相続排除をすると、最低限の遺産取り分の「遺留分」をもらう権利も剥奪されます。

ただし、認められない場合があるので、弁護士に相談するのがおすすめです。

遺言を書くべき人⑤ 再婚している場合

再婚相手に連れ子がいる場合、その子に遺産相続させるには、遺言書を書くか、養子縁組をしておく必要があります。

再婚すると、相続でいろいろ揉めることが多いので、不安なら弁護士等に相談しておくことをおすすめします。

遺言を書くべき人⑥ 息子の妻に財産を譲りたい場合

息子の奥さんは養子縁組をしていないと、遺産の相続権がありません。

もし、遺言書を書かないなら、生前贈与をしておく必要があります。

遺言を書くべき人⑦ 事実婚など親族以外に譲りたい場合

親族以外は、法定相続人になりませんので、遺産相続をしたい場合は、遺言書を残す必要があります。

婚姻届の無い内縁関係の人に財産を渡すなら、遺言書にきっちり書きましょう。

遺言を書くべき人⑧ 事業を継続させたい場合

個人事業をしていたり、自分の株式会社を継がせたい場合は、事業用資産や株式を一人にまとめて相続することが必要です。

事業用資産を分割してしまうと、事業継続が難しくなる場合があるので要注意です。

遺言を書くべき人⑨ 財産が不動産の場合

財産が不動産の場合、売却して分配するしかありません。

売却せずに、住んでほしい住人がいる場合は、その旨を遺言書に書く必要があります。

遺言を書くべき人⑩ 財産を公共団体に寄付したい場合

財産を公共団体や公益団体に寄付したい場合は、遺言書を書く必要があります。

日本赤十字社やユニセフ協会、国境なき医師団などの公益団体に寄付した場合は、相続税の対象になりません。

寄付したい場合は、名前を間違えたりしないように、公共団体のHPをチェックしておくのがおすすめです。

3. 3種類の遺言書と選び方

遺言書には、次の3つがあります。

  • 自筆証書遺言・・・自分で作成する遺言書
  • 公正証書遺言・・・公証人と一緒に作成する遺言書
  • 秘密証書遺言・・・内容を公開しないための遺言書

セルフで作成するなら自筆証書遺言、専門家に依頼するなら公正証書遺言になります。

秘密証書遺言はあまり取られない形式ですが、ここで一応紹介しておきます。

3-1. お金を節約できる自筆証書遺言

自筆証書遺言は、日付・文章・氏名を自筆し、押印して作成する遺言書のことです。

メリット・デメリットをまとめたのが下の表です。

メリット・紙と封筒と印鑑があれば作れる
・自分ひとりで作れる
・費用をおさえることができる
デメリット・形式を間違えると無効になる
・自筆で書く必要がある
・紛失や改ざんの恐れがある

自筆証書は死後、家庭裁判所の検認を受けてから、執行される流れになります。

もし、法務省令の様式に合ってないと無効になってしまうので、細心の注意を払って書く必要があります。

遺言書の新しいルール

平成31年に民法が改正され、自筆証書遺言の作成方法が変更されました。

重要なのは、次の2点です。

財産目録の作成・PCや代筆での作成が認められる
・登記簿謄本や通帳のコピーが添付できる
法務局の保管制度・法務局が保管してくれるようになる(2020年7月10日より)
預かる時にチェックしてくれるので、検認が不要になる
・預かり証明書を発行してもらえる
・オンラインで閲覧できる

財産が多岐にわたる場合、自筆で書くのは大変でしたが、改正によってPCでも作成が可能になりました。(作成後、署名と押印は必要です)

また、今までは自筆証書遺言は自分で保管しておく必要がありましたが、法務局で預かってもらうことが可能になります。

自筆証書遺言は誤りがあると無効になるという大きな弱点がありましたが、検認が不要になり、無効になるリスクが減ることになります。

3-2. 無効になるリスクを無くせる公正証書遺言

公正証書遺言は、公証役場で遺言の内容を伝え、公証人にまとめてもらって作成する遺言書のことです。

メリットとデメリットをまとめたのが下の表です。

メリット・自分で書く必要が無い
・法的に無効にならない
・紛失や改ざんの恐れがない
デメリット・費用や手間がかかる
・公証人に話さないといけない

自筆証書遺言のデメリットを無くしたのが、公正証書遺言です。

お金をかけてでも確実な遺言書を作りたい」という方は、こちらを利用しましょう。

公正証書遺言を作成できる日本公証人連合会のサイトで近場を探すことができます。

公正証書遺言にかかる費用

公正証書遺言には、次の費用がかかります。

  • 公正証書作成費用・・・相続額によって変わる
  • 証人2人の日当・・・依頼する場合、一人につき5,000円〜15,000円
  • 公証人の出張費用や交通費・・・公証役場以外で行う場合に必要

公正証書遺言作成費用は次の通りです。

相続する財産の価値公証人に支払う費用
100万円以下5,000円
100万円を超え200万円以下7,000円
200万円を超え500万円以下11,000円
500万円を超え1,000万円以下17,000円
1,000万円を超え3,000万円以下23,000円
3,000万円を超え5,000万円以下29,000円
5,000万円を超え1億円以下43,000円
1億円を超え3億円以下43,000円に5,000万円ごとに13,000円を加算
3億円を超え10億円以下95,000円に5,000万円ごとに11,000円を加算
10億円を超える場合249,000円に5,000万円ごとに8,000円を加算

参照:日本公証人連合会

ex)子どもに1,000万円、妻に3,000万円残す場合
17,000円+29,000円+11,000円(手数料)=57,000円

※公正証書遺言の文案作成を弁護士や司法書士に依頼する場合、別途費用がかかります。

公正証書遺言の作成法

公証役場で事前相談をして、遺言書の内容が決まった後に、公証人とともに、正式な公正証書遺言を作成することになります。

日本公証人連合会』のサイトで、近所の公証役場を探しましょう。

次の資料を持っていくと相談がスムーズになります。

1. 遺言書本人の本人確認資料(印鑑登録証明書又は運転免許証、住基カード等顔写真入りの公的機関の発行した証明書のいずれか一つ。)
2. 遺言者と相続人との続柄が分かる戸籍謄本
3. 財産を相続人以外の人に遺贈する場合には、その人の住民票(法人の場合には資格証明書)
4. 財産の中に不動産がある場合は、その登記事項証明書(登記簿謄本)と、固定資産評価証明書又は固定資産税・都市計画税納税通知書中の課税明細書
5. 遺言者が証人を用意する場合は、証人予定者のお名前、住所、生年月日及び職業のメモ

参照:日本公証人連合会

分からないことがあれば、電話やオンラインで相談できますので、問い合わせてみましょう。

公正証書遺言の作成法についてさらに知りたい方は、こちらの記事「失敗しない遺言書の書き方|豊富なテンプレートでトラブル・無効化を防げる!」をご覧ください。

3-3. ほとんど使われない秘密証書遺言

秘密証書遺言は、内容を秘密にして作る遺言書のことです。

遺言を書き、公証役場に持っていき、封筒に署名捺印をして作成します。

メリットとデメリットをまとめたのが下の表です。

メリット・内容を知られない
・PCでの作成が可能
・証人の署名をもらうので改ざんや偽造を防止できる
デメリット・費用や手間がかかる
・証人が必要
・自分で保管するので紛失の恐れがある

自筆証書遺言と同様に、家庭裁判所の検認が必要になります。

年100件ほどしか使われていないですが、「隠し子や愛人に遺贈したい」など、内容を秘密にしたい時は検討しても良いでしょう。

4. 遺言書を自分で作る際の3STEP

自分で遺言書を作りたい方は、次の流れに沿って作ることになります。

  1. 自分の財産の棚卸しをする
  2. ルール通りに遺言書を書く
  3. 封筒に入れて封をする

遺言書は、ボールペンか万年筆など消えないペンで書きます。

利用する紙は自由ですが、初めてで不安な方は、市販の遺言書キットを利用することをおすすめします。

遺言書キット

遺言書キット』は、遺言書の書き方の説明と、書くための封筒とシートがセットになっています。

STEP① 自分の財産の棚卸しをする

まずは、自分の財産がどれくらい残っているか、一覧にしてまとめていきます。

  1. 預貯金(貯金額、金融機関情報)
  2. 不動産(登記簿謄本)
  3. 有価証券(銘柄、株数、証券会社)
  4. 貴重品(貴金属・芸術品など)
  5. 負債(借金・ローン・返済額・借入先情報)

借り入れがあるなら、それもまとめておきます。

せっかく遺言書を作成するなら、自分の財産の抜けが無いようにしましょう。

STEP② ルール通りに遺言書を書く

遺言書は、以前は全て手書きにする必要がありましたが、2019年1月13日より、パソコンで財産目録を作成したり、通帳のコピーを添付することができるようになりました。

下の図のように遺言書を書き、「別紙参照」とできるようになったわけです。

つまり、自筆で書かなければいけない部分が大幅に減ったのです。

遺言書の新しい書き方

出典:法務省パンフレット

ここでは、次の3つに分けてご紹介します。

  • 遺言書本文
  • 別紙目録
  • 付言事項

それぞれ紹介します。

遺言書本文の書き方

遺言書の本文では手書きで次のことを書きます。

  • 財産をだれに譲るか
  • 日付 住所 氏名 印鑑
  • 遺言書の執行をだれに依頼するか

まとめると下のような形になります。

遺言書の本文

遺言書の執行者を書かないと、家庭裁判所に執行人を選んで貰う必要があり、面倒なことになるので注意してください。

また、複数枚になる時は、全てに署名印鑑を入れてください。

別紙目録の書き方

財産目録はPCでまとめることができますし、また、他人に作成してもらうこともできます。

財産目録に決まった様式はありませんが、土地だったら住所、地番、地目、預金預金なら銀行名、口座番号、種別、預金額まで書くなど、あいまいにしないようにしましょう。

エクセルでまとめるのもOKですし、通帳をコピーするだけでも大丈夫です。

署名印鑑を忘れないようにしましょう。

付言事項の書き方

親族にお礼や財産の分割糸などを伝えたい場合は、遺言書の本文の後に、付言事項を入れておきます。

特に定型文はありませんが、残された家族が遺言書に納得できるメッセージにしましょう。付言事項の例文

この付言事項では法的な効力はありませんが、自由にお願いすることは可能です。

遺言書の書き方について詳しく知りたい方は、こちらの記事「失敗しない遺言書の書き方|豊富なテンプレートでトラブル・無効化を防げる!」をご覧ください。

STEP③ 封筒に入れて封をする

遺言書を書き終わったら、封筒に入れて、のり付けをして封印します。

封筒に使う印鑑は、遺言書で押した印鑑と同じものを利用します。

遺言書の封書

家族が開けないように、「開封せずに家庭裁判所に提出すること」など注意書きしてもOKです。

遺言書は自分で保管するか、信頼できる相続人に預けておくか、また、弁護士に預けることになります。

2020年7月10日より、法務局がチェック、保管をしてくれるので、自筆証書遺言を作成したい方はこちらを利用しましょう。無効になるリスクを減らせます。

5. 遺言書に関するQ&A

遺言書についてよくある疑問をQ&A形式にしてまとめました。

    1. 遺言書の相談はどこですれば良いですか?
    2. 財産を一人に全て譲るなどはできるのですか?
    3. パートナーと一緒に遺言を残すことはできますか?
    4. 遺言書を撤回・修正するにはどうすればいいですか?
    5. 公正証書遺言の証人はだれでも良いのですか?
    6. 特別方式の遺言書とは何ですか?

それぞれ紹介します。

5-1. 遺言書の相談はどこですれば良いですか?

基本的に弁護士に相談すれば間違いありません。

東京弁護士会、埼玉弁護士会などのサイトから地元の相談センターが見つかるので、「弁護士 〇〇県」で検索してみてください。

他にも次の4つの依頼先があります。

依頼先メリット
弁護士一番おすすめ。法律のプロ
司法書士不動産の相続に不安がある方におすすめ
税理士相続税の相談がしやすい
行政書士料金をやすくおさえられることが多い

もし、税理士などにお世話になっている人がいるなら、相談してみても良いでしょう。

5-2. 財産を一人に全て譲るなどはできるのですか?

法定相続人は、最低限の取り分が認められており、全ての財産を一人に譲ることは無理な場合があります。

法定相続人には、遺留分減殺請求(遺留分侵害請求)の権利がありますが、これは法定相続人が遺産の取り分を確保するための請求のことです。

例えば、遺言書で「隠し子に財産を全て譲る」と書いてあった場合、本来ならもらえるはずだった人は、この請求によって、法定相続分の半分を確保することができます。

ex)親子2人家族で、亡くなった親が遺言書で「財産は隠し子に全て譲る」と書いた場合、本来は100%もらえるはずだった子供は、請求によって半分の50%がもらえます。

5-3. パートナーと一緒に遺言を残すことはできますか?

2人以上の者が、1つの証書で残す遺言を「共同遺言」と言いますが、共同遺言は禁止されています。

夫婦で遺言書を残したい時は、それぞれが作る必要があります。

ちなみに、本人の意思を代言する「代理遺言」も禁止されています。

5-4. 遺言書を撤回・修正するにはどうすればいいですか?

自筆証書遺言や秘密証書遺言は、遺言書を破れば取り消すことができます。

公正証書遺言の場合は新たに作り、「令和◯◯年◯月◯日の遺言を全て撤回する」というような文言を入れることにします。

分からない場合は、公証人役場や弁護士に相談してみてください。

5-5. 公正証書遺言の証人はだれでも良いのですか?

公正証書遺言を作成するのに必要な証人は、次のような方はなれません。

  • 未成年
  • 遺言で財産を譲りうける人
  • 公証人の配偶者、4親等内の親族
  • 遺言書を読めない人
  • 公証役場の職員など

もし、信頼できる知人がいないなら、弁護士や行政書士、司法書士に依頼しましょう。

5-6. 特別方式の遺言書とは何ですか?

緊急で命の危険がある場合に作成するのが「特別方式の遺言書」です。

上で紹介した自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言は「普通方式の遺言書」ですが、緊急時に短時間で遺言書を残すことができます。

特別方式の遺言書には、次の4つがあります。

種類ポイント
一般危急時遺言・病気やケガで命の危機が迫っている時
・証人は3名以上(利害関係者不可)
・遺言者が口授して、証人1人が筆記
・20日以内に家庭裁判所の確認が必要
難船危急時遺言・船や飛行機内で命の危機が迫っている時
・証人は2名以上(利害関係者不可)
・遺言者が口授して、証人1人が筆記
・家庭裁判所の確認が必要
一般隔絶地遺言・行政処分で交通手段が絶たれている時
・本人の作成が必要
・立会人は証人1人と警察官1人
・家庭裁判所の確認は不要
船舶隔絶遺言・船で陸地から離れている時
・本人の作成が必要
・立会人は船長(もしくは事務員1名)と証人2名以上
・家庭裁判所の確認は不要

99%の人は利用することは無いはずです。

 6. さいごに

遺言書とは何かについてご紹介してきましたが、参考になりましたでしょうか?

遺言書は法的な拘束力があり、遺産相続に自分の想いを反映させることができます。

ボケてから書くのでは遅いので、書きたいと思った時に書いてみることをおすすめします。

このページが、読者の皆様の相続にお役に立てることをお祈りします。

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